家庭菜園用など「苗もの市」好評 天城町農業センター

今年も好評だった天城町農業センター「春の苗もの市」=21日、同町瀬滝

春の装い広げ

【徳之島】天城町農業センター(同町瀬滝)恒例の「春の苗もの市」が21日、同育苗ハウスであった。農業研修生や町内の農家などが育てた夏野菜や草花、花木・果樹などの苗を安価で直販。家族連れで訪れ、菜園や花壇用を求めるなど今年も好評だった。

「農業の島」を自認しつつも野菜や草花など苗もの類の大半が島外産に依存してきたことを憂慮。地元の育苗農家育成による地場産苗の供給促進と、家庭菜園など自給野菜栽培の普及を通じ農業への関心も高めようと―同センター(町農政課)が着手して今年で8年目。町内外に人気がある。

午前9時に始まった今年の苗もの市には、同農業センター(研修生や職員)のほか町内の8農家が協賛。野球の国際大会WBC準決勝(日本対メキシコ戦)の中継時間帯に、天候不良も重なってか客足はややスロースペース。

育苗ハウス内では色鮮やかに春の装いに包まれたペチュニアやマリーゴールド、サルビア、オオタニワタリなど花き類。ピーマンやナス、キュウリ、ニラ、スイカ、バジル、パッションフルーツといった野菜・果物類の苗を展示即売。初の試みで農業研修生らが育成した豪華なトルコギキョウの花摘み体験(10本・500円)コーナーも設けられた。

家族連れで訪れていた同町浅間の主婦(52)は「苗もの市では、島キュウリの苗なども簡単に手に入ります。家庭菜園では〝小さな幸せ〟を感じることもできます」とニッコリ。

町農政課の山田悦和課長は「家庭菜園の普及や地産地消を推進。出品者には農業塾(一般対象講座)に学んだ方も。育苗も一農業分野と捉えて欲しい。苗もの市の規模拡大も進めたい」などと話した。