WBC制覇に歓喜わく

自主トレ6年目の近藤健介選手ら「侍ジャパン」のWBC優勝に歓喜する天城町職員ら関係者=22日午前、同町役場

 

会場には「近藤塾・チーム天城」のオリジナルキャップ(非売品)や、サイン入りWBCペナント展示も

 

 

近藤選手(SB)の自主トレ 親密交流の地
天城町

 

 

 【徳之島】「日本中の子どもたちに感動と希望を与えた。次回自主トレ時は〝軽トラオープンカー〟でも」―。22日午前(日本時間)のWBC決勝で、侍ジャパンが前回の王者・米国に3―2で勝利して3度目の優勝を決めた瞬間、近藤健介選手(29)=ソフトバンク=の自主トレーニングでなじみの地・徳之島天城町では、家族の活躍をたたえるようなひと際大きな歓喜に沸いた。

 近藤選手を慕う複数球団の選手仲間らでつくる「近藤塾・チーム天城」。本格キャンプやシーズンインに向け毎春早々、天城町での合同自主トレで始動している。近藤選手の両親がシドニー五輪女子マラソン金の高橋尚子の合宿地でも知られた同町をリサーチしたのがご縁。2018年から連続6年目の今春は1月5日~20日にあった。

 近藤選手は人懐っこく親しみやすい性格に加え、天城町には高額のふるさと納税も毎年数回ずつ続けるなど思い入れも強い。同行サポートを続ける父義男さん(千葉県)らにあっては、地元球児など対象の野球講演会、学校訪問による交流会など家族ぐるみの交流が続く。

 WBCの日米頂上決戦の時間帯に合わせて22日朝、同町役場1階ロビーには町当局が大型テレビによるパブリックビューイングコーナーを設置。そして侍ジャパンが3―2リードで迎えた最終九回表、庁舎内放送で職員たちにも視聴応援を案内。約40人がかたずを飲んで中継画面を凝視するなか、MVP(最優秀選手賞)の大谷翔平投手が米強打線を抑え切った瞬間「やったー」の大歓声と拍手に包まれた。

 マイクを握らされた森田弘光町長は「侍ジャパンが一戦一戦を大事に戦って優勝した姿は、日本中の子どもたちにも感動と希望を与えたと思う。特に近藤選手は、天城町で6年連続自主トレして臨み全世界にアピール。次回の自主トレ時は(パレード用に)〝軽トラオープンカー〟でも用意したいほどうれしい」と歓喜のジョークも飛ばした。

 「スポーツ愛ランドあまぎ」の同町役場でのパブリックビューイング応援は、2000年シドニー五輪金の高橋選手、20年東京五輪のレスリング・グレコローマン60㌔級銀の文田健一郎選手(同町3世)や同町合宿勢の女子マラソン競技などに続くものとなった。