「まーじんゆらおう計画」

完成した「まーじんゆらおう計画」を安田市長(左)に手渡す森会長

 

 

名瀬中心市街地の活性化へ
市通り会連合会が完成報告

 

 奄美市通り会連合会の森幸一郎会長らが22日、奄美市役所を訪れ、安田壮平市長に中心市街地の活性化策などをまとめた「なぜまちまーじんゆらおう計画」の完成を報告した。計画は2023年度~27年度までの5カ年計画で、幅広い年齢や多様な世帯の人たちが一緒に楽しく過ごせるまちづくりを目指すもの。買い物支援やバリアフリー、起業創業、人材育成など19の分野別に計90項目のプロジェクトを掲げ、中心商店街を「みんながみんなを好きでいられる場所」に育てていく。

 計画は、県の助成金事業(市町村振興宝くじ助成事業)を活用。昨年7月に同通り会連合会の会員や奄美大島商工会議所、市商工政策課、民間事業者など25人からなる計画策定員会を組織、約8カ月間で計9回の会合を重ね作成した。

 昨年12月には、名瀬末広町や同港町、同幸町などの中心市街地区域の住民ら2350世帯を対象にアンケートを実施、商店街などに求める住民の意見などを踏まえ、5年間で取り組むプロジェクト90項目の実現のため、項目ごとに調整、準備、実施する時期などを記した実施事業をロードマップとしてまとめた。

 23年度は、バリアフリー多目的トイレの設置や、トイレ、ベビールームなどを提供できる店舗「まちなかオアシス」の募集、親子連れや高齢者がくつろげる休憩所の設置、フリーマーケットの開催など24プロジェクトの実施を予定。それぞれのプロジェクトを実施する事業主体として市役所や商店街、まちづくり会社などを想定し、実現に向け官民連携を図っていく。

 森会長は「商店街の振興だけでなく、地域住民の暮らしを支えることで、まち全体が活気あふれる地域づくりをしていきたい。商店街をみんなが幸せになれる場所にできれば」と抱負を語り、安田市長も「行政としても支援できることは積極的に支援したい。官民が一緒になって、暮らしやすいまちづくりを目指していきたい」と語った。

 同計画策定を支援した長崎県佐世保市の前田さいわい商店・前田幸輔代表(47)は「奄美は地域の人たちの距離感が近いのが魅力。組織や年齢、性別などの垣根を越えて新たな仲間が増えることで、みんなが楽しめるまちづくりにつなげていけたらいいのでは」と話した。