卒業式後の記念撮影=後列が両親の山城正堯さんと歩さん
小湊小、地域住民も見守る
「成長し、たくましくなった」
奄美群島内各地の小学校で23日、卒業式が行われた。県大島教育事務所によると、大島地区小学校の卒業生は1011人(男子490人、女子521人)=2月10日現在=。今年度150周年を迎えた、奄美市名瀬の小湊小学校(竹平勝志校長)では、唯一の6年生・山城凱正=よしまさ=君の卒業式が同校体育館で行われた。
在校生や保護者、地域住民が見守るなか、大島紬を着用した担任の田原大資教諭(29)と笑顔で入場。竹平校長から卒業証書を手渡されると、「漁師になりたい」と将来の夢を発表した。式の終盤には、伝統継承の証として山城君から在校生に校旗が手渡され、ゆずの「友~旅立ちの時~」を合唱し、小学校生活を過ごした友と変わらぬ友情を誓った。
山城君は、3年の2学期に大阪市から転校。田原教諭は「唯一の最上級生で不安もあったと思うが、よく耐え、頑張って後輩たちを引っ張ってくれた」と語った。
竹平校長は式辞で「これからの人生は、楽しいことばかりではなくつらいこともあるが、新しいことに挑戦し続けることで、明るい未来が待っている」と呼び掛けた。
山城君は「少人数だからみんなが仲良く、楽しい小学校生活だった。地域の人たちも参加した運動会が一番の思い出」と話し、「中学校でも友達をたくさん作って、勉強を頑張る」と笑顔を見せた。
父親の正堯=まさたか=さん(40)は「下級生の面倒を見なくてはならない立場で、不安や不満があったと思うが、受け止めて成長したくましくなった」、母親の歩さん(36)は「いろいろな体験ができ成長した。これからも、いろいろなことにチャレンジしてほしい」と我が子の成長を見届けた。