3年ぶり国際クルーズ船

外国船籍としては3年5カ月ぶりに寄港した米国「セブンシーズ・エクスプローラー」


歓迎セレモニーで出迎えた関係者

名瀬港寄港 受け入れ再開、セレモニーで歓迎
訪日外国人観光客に期待

 米国船籍のクルーズ船「セブンシーズ・エクスプローラー」(5万5254㌧、全長224㍍)が23日、奄美市の名瀬港に寄港した。新型コロナウイルスの影響で2020年度以降、運航中止が相次ぎ、同港湾に外国籍のクルーズ船が訪れるのは3年5カ月ぶり。市や観光団体の関係者らが受け入れ再開を祝うセレモニーで出迎え、今後の訪日外国人観光客の回復へ期待を高めた。

 同船の寄港は初めて。乗客646人を乗せて14日に東京を出発し、名古屋、神戸、別府、韓国の釜山、同・済州島、長崎を経由して寄港した。

 名瀬港へは午前10ごろに着岸。歓迎セレモニーが催される中、米英豪などから来た乗客が次々と降り立った。乗客らは疲れた様子も見せずにバスに乗り込んでツアーなどに出発。奄美大島北部や市街地などへと繰り出した。

 セレモニーで安田壮平市長は「ようこそ奄美へ。豊かな自然、独特の伝統文化、島の人の人情にふれ、楽しんでいってほしい」とあいさつ。大島紬の絵画を贈られた船長らは「誠に感謝している。美しい奄美大島を見ることができてうれしく思う」と笑顔で話した。

 入港を見学した三浦真菜さん(10)と崎愛来さん(10)は「マンションみたいに大きくて驚いた。見に来てよかった」と感激。紬美人の轟木美来さん(25)は「この機会に奄美、大島紬をしっかり世界に発信していきたい」と意気込んでいた。

 あまみ大島観光物産連盟の有村修一会長は、外国人観光客を眺めながら「希望の兆し。マスクも取れて経済が戻っていくんだと実感させられた」と強調。「コロナ続きで世界自然遺産の登録効果も思うように出ていない。外国人を迎える準備も進めてきたので、これからはしっかり活用していきたい」と話した。

 午後6時の出港前には、唄者の平田まりなさんとあやまる会の子どもたちが唄や踊りの伝統文化を披露し見送った。船は今後、那覇へ向かい高知などを経て横浜に寄港し14日間の旅を終える。

 同市紬観光課によると、同港の国際クルーズ船の受け入れは2019年10月以来。23年度の寄港予定回数は18回で、うち14回が外国船籍となっている。