サシバ 早期治療で野生復帰

約2カ月の保護を経て森へと飛び立った雄のサシバ(23日、宇検村阿室)

防鳥用テグスに絡まり保護
宇検村

 野生動物の保全事業に取り組む任意団体「奄美野生動物医学研究会」(奄美市名瀬)は23日、保護したサシバ1羽を野生復帰させるため、宇検村阿室の畑作地帯から放した。同会の獣医師、新屋惣さん(29)は「早期発見、早期治療により、野生復帰できた症例」と話し、渡りが終わる4月を前に無事、森へと羽ばたく姿を見届けた。

 保護されていたサシバは、雄の成鳥。今年1月31日、同村平田でタンカン畑のカラス除けの防鳥用テグスに絡まり、翼を負傷、衰弱していたところを畑の所有者が発見。連絡を受けた環境省奄美野生生物保護センターから同会へ搬入された。

 保護から2週間たった2月半ば、けがをした右翼を支える固定を外し、室内のゲージでリハビリを開始。体重も保護時に約450㌘だったのが約500㌘まで増え、飛翔能力も回復したと判断。収容から約2カ月たったこの日、サシバは阿室集落を囲む森の上空へと飛び立った。

 今回、畑の所有者による、テグスのたるみをなくす、頻繁な見回りなど適切な処置がなされていたにも関わらず起きた事案で同会は、「野鳥が防鳥用ネットやテグスに絡まることは、やむを得ない面がある」としている。しかし、「早期発見が今回の早期治療、野生復帰につながった。発見後は迅速な対応を」と呼び掛けている。

 傷病鳥獣や事故の情報は、奄美野生生物保護センター電話0997―55―8620、徳之島管理官事務所電話0997―85―2919まで。