富国製糖搬入終了

2022/23年期製糖実績で生産量は2年連続の増産となった富国製糖

2年連続の増産達成
前期1631㌧上回る2万7495㌧

 奄美市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長、中山正芳所長)は23日、2022/23年期のサトウキビ原料搬入終了を受けて製糖実績を発表した。生産量は2万7495㌧で、前期実績を1631㌧上回った。増産は2年連続。品質も良好で基準糖度帯(13・1~14・3度)を超える14・4度以上が約8割に達した。

 今期は4年連続の年内操業となる22年12月13日に製糖開始。製糖期間は104日(前期95日)となり、1日当たり圧搾量は420㌧。期間は前期より9日間長く、1日当たりの処理量は同じだった。

 地区別の生産量は、奄美市笠利町が2万6079㌧(前期比1660㌧増)、龍郷町1136㌧(同61㌧減)、奄美市名瀬67㌧(同11㌧増)、宇検村213㌧(同21㌧増)。龍郷町のみ前期を下回った。収穫面積は535㌶で、前期を16㌶上回った。中山所長は「夏植面積が増加(前期比25㌶増の87㌶)したことで、単収向上につながった」と説明する。最近の生産量では17/18年期の2万8600㌧に次ぐ高い数字。

 搬入された原料を糖度別割合でみると、基準糖度帯以下(13・0度以下)は3・1%、基準糖度帯17・7%、基準糖度帯以上79・2%となった。基準糖度帯以上は前期(93・2%)を下回ったものの、高い割合にあり「前年に続いて台風被害がなく葉の状態が維持されたほか、年末・年明け以降の気象条件(低温など)も比較的良く、品質面の糖が伸びた」(中山所長)。

 雨天時はハーベスタ(収穫機械)が稼働できず、原料処理に影響が出ることもあったが、春植推進期間の調整によってカバーできたという。

 今期の平均買入価格は、基準価格(13・7度)で前期を795円上回る2万3506円(1㌧当たり)。基準糖度帯を上回るほど農家の収入は増えている。

 搬入終了を受けて富国製糖は「生産者の努力のおかげで前期より増産となった。来期、更に増産になるよう生産者のみなさんは残りの春植を植え付けていただき、早期の株出管理をお願いしたい」と呼び掛けている。