徳之島町と城山観光㈱

徳之島町の地元食材を使った商品開発などで連携協定(左側3人・城山観光㈱東社長ら)=24日、同町役場

地元食材で商品開発など連携
創業者の思い継ぎ…

 【徳之島】徳之島町(高岡秀規町長)と城山観光㈱(本社・鹿児島市、東清三郎代表取締役社長)は24日、食を通じた地域経済の発展などを期し連携協定を締結した。同町出身の創業者の思いを継ぎ、「SHIROYAMAHOTELkagoshima」(城山ホテル鹿児島、同市)の開業60周年記念の寄付(60万円)も寄せた。

 城山観光㈱は同町井之川出身の保直次氏(2012年12月没、享年96歳)が創業。鹿児島を代表する「城山観光ホテル」(2018年に現在名に改称)をはじめ「夢追い人生」一代で、九州屈指の企業グループに育成。同町名誉町民に名を連ね、井之川公民館敷地内には、功績を称える記念碑も建立された。

 今回の連携協力に関する協定は、官民双方で協議しながら①地元食材を使った商品開発②地域の食の魅力、課題などの分析③地域の生産者や飲食店、事業者などとの連携④その他、食を通じた人口・関係人口の創出―に関することや、情報発信を目的に掲げている。

 調印式・寄付贈呈式は同町役場会議室であった。城山観光㈱側からは東社長(66)や直次氏孫の保直延常務取締役(48)、取締役執行役員の徳重慎一郎総料理長(42)の3人が出席した。

 高岡秀規町長はあいさつで「交流人口増に向けて価値観が提供できるのは食だと思う。奄美大島にはLCC(格安航空)効果があるが、我々は違った形で交流人口増、富裕層もターゲットにしなければいけないと思った。絵を描き口で言うのは簡単。実際の目標を立てて交流人口増に」などと支援を求めた。

 東社長は「食の付加価値を高めたいとご相談を受け、全面的にご協力したい。城山ホテル鹿児島として徳之島町の食文化や、6次産業の発展にご支援ができれば創業者・保直治名誉会長にも非常に喜んでもらえると思う」。ウイズコロナで今後世界中からお客をホテルに呼び込み、「徳之島の食材を使った料理もぜひ召し上がっていただき、『徳之島にもぜひ行ってください』とアドバイス。交流人口増に連携、持続可能な社会、徳之島を築けたらと思う」。

 同社は、今回の「ホテル開業60周年」のほか「創業70周年」(17年)でも高額寄付を寄せている。高岡町長は「将来を担う子どもたちのために使わせていただきたい」と感謝。食の付加価値付けなどには「ホテルのレストランで〝徳之島産黒毛和牛〟が謳われることを夢見て頑張りたい」とも。

 同社はこれまで同島産原料の「長命草地ビール」も開発販売中。食材リサーチも兼ねた来島だが、加熱しても風味が損なわれない赤土バレイショのスープなど商品化も模索中という。