校長再任用に集落あげ歓迎

児童たちと再任用を喜ぶ大和村今里小の中村利之校長

奄美群島唯一 今里小・中村校長
「再び地元に貢献したい」

 今年度で定年を迎える大和村今里小学校の中村利之校長(60)が、引き続き同小の校長として再任用されることになった。同一校での校長職再任用は県内初で、選任された5校長のうち奄美群島内では中村校長のみ。今里集落も再任用を歓迎し、中村校長は「身の引き締まる思い。またこの学校で教育に携われることを誇りに思う」と述べた。

 県教育委員会は、教職員異動に伴い5校長(高校1、小学校4)の再任用を決定。選任については「組織運営上の必要性などで総合的に勘案」としている。

 中村校長は県内8小学校(うち教頭職3校)で教壇に立ち、2019年度に校長として今里小学校に赴任。地元文化を掘り起こす郷土教育などに尽力した。▽昼休みを利用したシマ唄指導▽追い込み漁の復活▽村内4小学校による独自の道徳教育―などを実施、地域の信頼も厚い。

 PTA会長の永田梓さんは「学校はもちろん、集落にも欠かせない存在。いつも子どもたちのことを考え、集落行事にも積極的に参加している」と、息子の要君(3年)・環君(1年)と共に再任用を喜んでいる。「人の和を大切にする校長で、伝統継承にも力を注いでくれた」と、校内も歓迎ムードだ。

 同校の今年度の卒業生はなく、在校生は4人。新年度に1人の新入学を予定している。校長としての再任期間は基本1年間。

 「地域の支えがあってこその学校運営。小規模校の利点を生かし、児童の力を最大限に伸ばすことが課題。そのためにも、あと5年は教育の現場で子どもたちと触れ合いたい」と力を込める中村校長に、児童らから手作りの黄金トロフィーが贈られた。