宮古崎〝野生花〟ウォーク

風雨の中、笑顔で歩き切った参加者たち

寄生植物の発見に歓喜
32人参加 ネイチャーセンター観察会

 野生動植物の調査とエコツアーの企画などを行っている㈲奄美ネイチャーセンター(高(たかし)美喜男代表)は26日、大和村国直で宮古崎ウォーキング観察会を行った。あいにくの雨にも関わらず32人が参加、往復4㌔の道を歩き、道路脇の小さな花々に歓声を上げた。

 同センターは1998年に、奄美野鳥の会の有志によって設立。群島各地の野生動物や自然の知識をエコツアーなどで伝えてきた。今回のウォーキングは、道路脇や砂浜にひっそりと咲く小さな花々に焦点を当てた企画。事前に撮った花や木の実の写真が載った冊子が渡され、参加者は各自名前を書き込んでいった。

 集落の砂浜近くに集合した参加者は、自然観察イベントに複数回参加した人が多く、ポンチョ、トレッキングシューズ、スパイク付き長靴など雨や風の備えは万全。そろってリュウキュウチクの名所・宮古崎を目指した。

 出発後すぐ、砂浜の縁に黄色く咲く外来種タイワンハチジョウナの前に座り込むと、「最近この種が増えつつある。在来種が脅かされつつあるように感じる」と高さんが説明した。参加者は熱心にメモを取り写真に収めていた。帰化植物ハルノノゲシ(単にノゲシと称する場合もある)、キダチハマグルマ(在来種)など、同じ黄色の花の見分け方なども紹介された。

 参加した本村信行さん(66)は、「個人でネイチャーガイドをしているが、こうした機会に知識を増やし更新している」と話した。瀬戸内町の獣医・中島千景さん(30)は、宮古崎付近で自ら見つけた寄生植物「ヒノキバヤドリギ」に思わず歓声を上げた。ハマヒサカキに寄生しており、「初めて見た。興奮が止まらない」と周囲に驚きを伝えていた。

 奄美小学校3年・田代柚樹君(9)と母・夢子さん(35)は、早朝から宇検村で行われたオオトラツグミの調査を終え参加。疲れも見せず歩き通し、「オキナワチドリの薄紫の花がきれいだった」と笑顔で話した。