糸やDVD、小物など見本セット贈る

大島紬の糸見本などのセットを手にする諏訪副市長(左)と牧会長

群島大島紬振興対策協 県や12市町村に
「多くの人が触れる機会に」

 奄美群島大島紬振興対策協議会(牧雅彦会長)は28日、奄美市に大島紬の製造工程をまとめたDVDや材料となる絹糸(白色)や、泥染めした紬糸などの見本セットを贈った。牧会長らが市役所を訪れ、諏訪哲郎副市長に手渡した。同協議会は、同市を含む群島12市町村と県大島支庁および県庁にも同様の三本セットを送付。年々生産量が減少する本場奄美大島紬に触れる機会創出に、同セットを活用することなどを求めた。

 同協議会は群島12市町村と本場奄美大島紬協同組合、奄美大島商工会議所で組織、本場奄美大島紬産地の振興に取り組んでいる。今回、各市町村などに贈られたのは、泥染めされた大島紬糸、絹100%の白糸、シャリンバイで染められた糸の3種類の糸見本と、染織や機織りなどの製造工程を25分程度にまとめたDVD映像と教本、龍郷柄と真綿大島の反物見本、大島紬を使用したスマホショルダーやポーチの小物見本のセット。

 牧会長は「群島内でも年々機織りできる人が減少、実際に紬糸や反物を見る機会のない人も増えている。見本セットを庁内に展示したり、子どもたちの体験活動の際に活用するなどして、多くの人に大島紬に触れてもらう機会をつくっていただき、大島紬に興味を持ってもらえたらうれしい」と、見本セットを作成した理由を説明。

 諏訪副市長は「実際に触ると大島紬の糸の柔らかさなども知ることができる。見本があれば、子どもたちへの教育の場などでも利用しやすい。観光PRなどにも活用していきたい」と話した。