「みんなで子育てcafe」

ホットケーキを食べながら和気あいあいと行われた子育てcafe(右端が加藤みきえさん)

妊産婦の悩み相談
助産師の加藤さん

 助産師による子育て相談会「みんなで子育てcafe」が26日、大和村国直の公民館であった。奄美市から家族らが参加し、子どもたちがホットケーキを焼き、大きなシャボン玉を作り走り回る中、世間話をするように子育て相談が行われた。

 相談にあたったのは助産師・看護師の加藤みきえさん(46)。奄美市名瀬生まれで現在は同市小宿在住。総合病院などの勤務を経て、2013年から出張型の妊産婦訪問ケア「南の島の助産院」を営んでいる。月2、3回実施される龍郷町の乳幼児検診でも問診などを行うという。

 今回で20回目となる子育てcafeは、同村在住の介護福祉士・飯尾博英さん(72)が企画、加藤さんに呼び掛けて実現した。飯尾さんは、「村に助産師がいない。助産師は子どもが生まれてから死ぬまでかかわり続ける存在。その意義を理解している人があまりにも少ない」という思いから、月1回の集まりを開き始めたという。

 加藤さんによると、相談内容は、ミルクを吐く▽(体重の増えにくい幼児には3時間おきにミルクを飲ます必要があるが)なかなか起きない▽湿疹・アトピー▽母体の疲れ▽不妊相談―など一人ひとり抱える問題は異なるという。コロナ禍では、里帰り出産のできない人やIターン者からの相談も多かったと振り返った。

 今回参加した同市根瀬部在住の女性(43)は、長女(4)と長男(2)の子育て中。夫(43)と共働きのため、出勤前の長女のぐずりなどに手を焼くことがあるという。

 「時間のある前日に、『お母さんは明日仕事に行くから協力してね』『これとこれはできるかな』とじっくり話をすること」だと加藤さんはアドバイスした。その上で、子どもがやること、できることを少しずつ増やし自覚を促すのだという。

 「子どもが食事の時間でもないのに『お腹すいた』というのは、親の興味を引きたい表れ。こうした時は、とりあえず遊んでやることで満足する」「栄養バランスを考えて葉物野菜を食べさせようとしても食べない。子どもの体を動かすエネルギーはご飯や果物など多糖類。考えすぎる必要はない」と話した。

 女性は、「コロナ禍で周りに助けを求められない状況にあった。身近のこうした催しを知っていれば悩みも少なかったのに」と話した。