天城町防災拠点を設置

協定調印・配備機材のお披露目式も。B&G財団菅原理事長(右)と森田弘光天城町長=29日、同町総合運動公園

防災減災へハード・ソフト充実
B&G財団支援

 【徳之島】公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団、東京都港区、前田康吉会長)が、2021年度から天城町に支援整備した「防災拠点の設置および災害時相互支援体制構築」事業(第1期拠点)。同拠点の完成始動への「協定書調印式」と「配備機材お披露目式」が29日夕、同町防災倉庫(町総合運動公園内)であった。

 同災害相互支援構築事業は、全国のB&G海洋センター(465カ所)・同クラブ(274カ所)を通じた各自治体とのネットワークを生かし、21年度から新たに着手。災害大国と呼ばれる日本で、ハード・ソフト両面を融合した新たな防災拠点を整備。災害資機材の配備と人材の育成で、迅速な災害復興と地域の防災力向上を目指すもの。

 同初年度(21年度・第1期拠点)は天城町(鹿児島県内初)など全国25カ所が対象に。第2期拠点には奄美市や与論町など県内4カ所、全国29カ所で設置を推進中。将来的には全国で計100カ所の設置を目指している。

 天城町への同事業支援金総額は4400万円(うち900万円は人材育成)。配備機材(ハード事業)は▽必須機材=防災倉庫(同町B&G海洋センタープール横、約120平方㍍)や水上バイク、油圧ショベルカー、スライドダンプ各1台。▽任意機材=タイヤショベルカー1台、災害用ドローン1基、移動式冷暖房機3台を導入した。

 人材育成(ソフト事業)面では、役場職員ら約40人を対象に▽小型車両系建設機械の習熟訓練▽海上など平水時・高波時のピックアップ(救助)操船技術の習得▽避難所研修(気象情報活用・避難所開設運営習熟)▽ドローン(無人機)の運用・操作研修などを終えた。

 関係者約40人が参加して町防災倉庫であった調印式後、B&G財団の菅原悟志理事長はあいさつで「災害時総合支援体制の構築、防災拠点同士の連携で点と点を結び線にして全国展開の〝面〟にすることが第一の目標。(離島の)徳之島の場合は独自の実行も考えて欲しい」。

 森田弘光町長は「南海トラフ地震をはじめいつどこで発生するか分からない大規模自然災害への備え、町の強靭化対策および防災・減災対策は喫緊の課題。本協定により災害発生時の物的・人的な相互支援体制も構築できた。地域住民の安心安全な暮らしができるよう一層努力します」などとお礼と決意を述べた。