徳之島・南西糖業も終了

徳之島の南西糖業も今期製糖(原料受け入れ)を終了した=30日夕、同社徳和瀬工場(徳之島町)

2工場搬入16万9132㌧ キビ生産実績17万㌧台

 【徳之島】南西糖業㈱(神﨑俊社長)は30日までに2022/23年期産サトウキビ原料の受け入れを終えた。製糖速報によると、同大型2工場への搬入量は計16万9132㌧(前期比1364㌧減)となったが、小型工場処理分を含む同期キビ生産実績は前期並みの約17万1千㌧台を確保。一方で品質は「平年以上」。生産者手取り価格は過去最高を更新した。

 同社の徳和瀬(徳之島町)、伊仙(伊仙町)の両工場は12月20日から今期操業を開始。例年に比べて天候に恵まれ収穫、搬入作業ともにほぼ当初計画通りに進展。伊仙工場が29日、徳和瀬工場も30日までに原料搬入を締め切った。

 製糖実績速報(同社徳之島事業本部農務部)によると、搬入実績16万9132㌧の町別内訳は、▽天城町6万4085㌧▽徳之島町5万3711㌧▽伊仙町5万1336㌧。同島の今期サトウキビ生産実績には、島内の小型製糖工場処理分(約2千㌧)が加わる。

 同社の松山洋次郎取締役農務部長は、結果的に当初生産見込み量(11月1日)に落ち着いた今期をふり返り「上方修正を見込んだが、生産農家の高齢化に伴う春植え作業の機械化依存や、(前期)収穫後への春植え作業・肥培管理作業の持ち越し比率の高さも影響した」と地域の構造的課題も示唆。

 一方で、平均糖度は前期産(過去最高14・69度)にこそ及ばないが「平年以上の約14・31度と良好」。生産者手取り価格も原料代アップの影響で2万4139円(㌧)と過去最高を更新した。来期の単収向上に向けては「早期植付けと肥培管理が大事」と強調した。