厳かにヤギの〝除マスク式〟

有村修一社長の手で3年ぶりに外されたヤギマスク

化粧直しを行うホテルスタッフ

高千穂神社・神主が神事
山羊島ホテル10周年

 奄美市名瀬大熊の奄美山羊島ホテル(有村修一社長)は31日、開業10周年とコロナ終息を祈願した神事を行った。同時に、同ホテルのシンボル、ヤギのモニュメントが着けていたマスクの〝除マスク式〟も行われた。有村社長ら役員をはじめホテル関係者27人が参加し、厳(おごそ)かに執り行われた。

 2020年4月21日から約3年にわたり、同ホテル入り口のヤギには、「着用の啓発とコロナの一刻も早い終息を祈って」(有村社長)マスクが着けられた。同ホテルスタッフが着用する制服の生地で作られたもので、台風などで飛ばされることもあり、現在は「4着目」だという。

 同井根町にある高千穂神社の神主=権禰宜(ごんねぎ)・松田裕輔さんが神事を行った。米や酒などを備えた祭壇の前で修祓(しゅうばつ)=みそぎ祓(はら)うこと=し、「降神の儀」を行った。コロナ終息と同ホテル繁栄の祝詞(のりと)を奏上し、「昇神の儀」で神事を終えた。

 その後、有村社長が〝除マスク式〟を行った。取り外されたマスクは、着用時の写真とともに額装する予定という。素顔があらわになったヤギは、同ホテルの女性スタッフがマスク痕をきれいに「化粧直し」、白いイケメン姿(碩明美支配人)を取り戻した。

 (神道ではカタカナ名の神事は行えないため、同神社では「覆面外しの儀」として執り行った)

 有村社長は、「奄美で初めてコロナ感染者が発生した20年、3カ月以上にわたる全面休館を行った。その後も稼働率は50%を下回る日が続き、スタッフには3年間辛い思いをさせた。しかし、(13年の開業から)10周年を大きな事故もなく迎えられた。政府支援策もあり客足は戻ってきている」と語った。