「轟木万田橋」が開通

完成を祝い渡り初めを行う関係者たち

10年の思い、集落住民ら安堵 渡り初めで祝う
徳之島町

 【徳之島】県の道路改良事業の一環として、県が徳之島町轟木で整備を進めてきた「轟木万田橋」が完成した。31日、現地で開通式が開かれ、集落住民や高岡秀規町長ら関係者が渡り初めをして開通を祝った。

 万田川に架かる同橋は県道松原轟木線の一部で、全長約27・8㍍。道路幅は2車線計5・5㍍で、歩道を含めた幅員は7・3㍍。工法にはポストテンション式PC単純スラブ桁橋を採用。事業は2018年に着手し、旧「萬田橋」からの架け替えを進めてきた。

 式では、県大島支庁徳之島事務所の久野聡建設課長があいさつ。「住民生活に欠かせない路線として、世界自然遺産に接続する道路として、今後はますます重要性が増してくる」と話した。

 2013年の集落の要望以降、継続して活動してきた徳之島町議会の福岡兵八郎議員は「夢をかなえる島に向けては大きな要となる場所。10年の思いに花が開いた」と橋の完成に歓喜。高岡町長は「集落住民の諦めない心が事業を実現させた。おめでとう」と式辞を送った。

 神事の後は関係者らが手を取り合い、渡り初めを実施。2年ぶりの新たな橋の開通に、集落住民からは「やっとこの日が来た」と安堵=あんど=する声もあふれた。

 設計は㈱萩原建設、橋の施工はコーアツ工業㈱などが担当。今後は橋から集落へと向かう道路約360㍍の整備・改修などを進めていく。