福祉事務所を開設した大和村の伊集院幼村長(左)と新川康枝県大島支庁長
条例制定、県から権限移譲
生活保護や児童扶養手当事務など
大和村は1日、同村役場で福祉事務所開所式を行った。これまで奄美市名瀬の県大島支庁で行ってきた生活保護の申請受付や決定、児童扶養手当の認定などが同事務所で行われることになる。新川康枝・県大島支庁長や伊集院幼村長、議会関係者、民生委員など約40人が参加した。
福祉事務所は、社会福祉法で都道府県と市に設置が義務付けられている。町村で設置する場合は、条例に定めた上、県からの権限移譲を受ける必要がある。
同村は、伊集院村長が2022年3月議会の施政方針で開設を表明。6月には設置意向書を県に提出、12月に設置条例を制定した。
1月、知事の同意を受けて、同村保健福祉課の職員1人を同支庁地域保健福祉課に3カ月派遣、理論・実務研修を受けた。3月の事務引き継ぎを終え開所に至った。
同事務所は、同村保健福祉課内に設置、県から派遣されたケースワーカー(社会福祉主事)1人と職員ら3人の4人体制でスタートする。奄美群島内の町村では初めての開所となり、村が独自で実施してきた福祉事業との連携強化も期待されている。
相星壮吾・同支庁保健福祉環境部長によると、県市町村課は05年から福祉事業、農地転用、(国道・県道の)道路管理など、権限移譲プログラムを行っている。移譲事務を行うと地方交付税による財源措置、県職員の派遣支援―などもあるという。
昨年度までに同事務所を開設したのは長島町、屋久島町、南種子町、三島村、十島村の3町2村。同村は県内6番目となる。
伊集院村長は、「これで自己完結型の福祉サービスとなり、村全体に、速やかで細やかな対応ができるようになる」とほっとした様子をみせた。