関西奄美会総会・芸能大会

構成団体による演目はバラエティーに富み、来場者らを楽しませた


「日本復帰の歌」に合わせ日本国旗を振る来場者ら

復帰70周年講演、喜び再現も
「運動の気持ち、共有する年」

 【関西】関西奄美会(山口久義会長)は2日、兵庫県尼崎市のあましんアルカイックホールで第106回「総会並びに芸能大会」を開いた。奄美群島出身者ら約1200人が来場。奄美群島日本復帰70周年を記念し、久伸博奄美博物館前館長による復帰運動についての講演も行われた。

 第一部の総会で登壇した山口会長は奄美大島・徳之島の世界自然遺産維持を目的に会員から募った寄付金32万6千円を今年1月、奄美群島広域事務組合に送金したことを報告。「各地から多数来場いただき感謝申し上げる。今年は奄美の日本復帰70周年。復帰運動に携わった先輩たちの温かい気持ちを皆さんで共有する年だ」とあいさつした。

 奄美群島内の町村長や、塩田康一鹿児島県知事、国会議員では三反園訓衆院議員(鹿児島2区)、保岡宏武衆院議員(比例九州)も来賓として出席。高岡秀規大島郡町村会長(徳之島町長)は祝辞の中で「島から関西に出てくる子どもたちを支え、郷土愛を根づかせることで奄美振興に協力いただきたい」と述べた。

 第二部の芸能大会ではゲストとして奄美市笠利町出身の歌手・里アンナさんも出演。2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」のメインテーマを披露。シマ唄やオリジナル曲を歌い上げ会場を魅了した。このほかゲスト・同会構成団体がパフォーマンスで盛り上げた。

 芸能大会中盤に久前館長が「奄美群島日本復帰70周年を迎えて」のタイトルで講演。「泉芳朗をリーダーとし、血を流さず暴力に頼らないことを徹底したのが復帰運動の大きな特徴」と解説した。

 また久前館長は「復帰後、生活の利便性は向上したが、年中行事などは失われつつある」と指摘。「記録に残し、そこから学ぶ必要がある」と締めくくった。講演後には「日本復帰の歌」に合わせ、来場者が日本国旗を手に登壇。祖国へ復帰した喜びを再現した。