大和村で「ひょう」降る

2日夕方、大和村の国直集落で確認された「ひょう」(大山綱治さん撮影)

2日夕方 雷・波浪注意報発表
積乱雲発生、農作物影響懸念

 2日夕方、大和村の一部で「ひょう」が降ったのが確認された。同日は早朝、夕方にかけ雷・波浪注意報や強風注意報が発表されており、積乱雲が発達したとみられている。

 名瀬測候所によると、奄美地方には同日午前4時30分に雷・波浪注意報を発表。6時51分には強風注意報も加わり、強風・雷・波浪注意報となった。午後4時17分に強風注意報は解除されたものの、雷・波浪注意報は継続。夜間の午後10時51分、雷・波浪注意報は継続されたままで、翌3日午前4時36分、雷・波浪注意報は解除されたという。

 最低気温を名瀬(観測地点)のデータでみると、2日は17・0度、3日は16・8度とそれほど下がっていない。同測候所は「ひょうが降ったという気象情報は入っていないが、積乱雲が発生すると気温が高めでも降る可能性がある。積乱雲の発達のほか、近づくと雷注意報を発表しており、積乱雲の発達が影響したのではないか」としている。

 ひょうは直径5㍉以上の氷の粒が大きくなった氷の塊で、氷の粒が積乱雲の中で上昇・下降を繰り返して大きくなり、ある程度の重さになると落下する。あられは直径5㍉未満の氷の粒。ひょうは春や秋に降ることが多いとされている。

 自宅の庭に降ったひょうを撮影したのは大和村国直集落の大山綱治さん(60)。「2日の午後5時前で、外にあるウッドデッキの方から小石をばらまくような音がしたことから、確認したところ庭の芝に白い塊が見えた。小指の爪ほどの大きさで15~20分弱降ったのではないか」と話し、「周辺では隣の湯湾釜集落でも確認されたようだが、他集落からは聞かれない。2年前にも同様に春先、笠利町(奄美市)でひょうが降ったことが確認されている」。

 JAの果樹技術指導員でもある大山さんは農作物への被害(ひょう害)を懸念する。「スモモの果実や葉への被害が気になる。傷がついていないか確認していきたい」としており情報提供も呼び掛けている。