県内初の植物病院開院

県内初の植物病院開院を祝ってテープカット

病院内の様子が関係者らに公開された

病害虫「南の防波堤」役割期待
JA県経済連

 【鹿児島】JA県経済連が県内で初となる「植物病院」を鹿児島市与次郎2丁目の食品総合研究所内にオープン。3日は開院セレモニーがあった。

 近年、温暖化、多雨化など世界的な気候変動の影響で、農作物への病害虫の侵入リスクや脅威が高まっている。県内ではサツマイモ基腐病やツマジロクサヨトウなど新種の病害虫による影響が深刻な被害をもたらしている。JA県経済連は県内初、全国では6カ所目となる植物病院を設置し、東京大学や全国の植物病院、県の関係機関と連携し、病害虫への迅速な対応ができる体制を整備した。

 セレモニーには県内のJA関係者ら約30人が出席。柚木弘文会長が「新たな病害虫を鹿児島が南の防波堤になり早期発見、治療、防除に努め、農家の皆さんの期待に応えていきたい」とあいさつした。テープカットがあり、関係者や報道陣に検査用の機材など病院内の様子が公開された。

 植物病院では生産者からの依頼に基づき、病害虫の外観診断、遺伝子検査を行って原因究明や、防除のアドバイスなどに取り組む。德永太藏院長は「農家の方が気軽に相談できるような施設にしていきたい。迅速な対応ができることで少しでも農家の収益が上がることに貢献したい」と話していた。