県消防長総会

9年ぶりに奄美市で開催された県消防長総会

減少続く消防団人材確保を
奄美市で9年ぶり開催 23年度予算など承認

 2023年度県消防長会(会長・松下剛鹿児島市消防局長)春季総会が6日、奄美市名瀬の市民交流センターであった。奄美群島の3消防本部を含む県内20地区の消防長らが出席、22年度決算や23年度予算など5議案を承認した。このほか、県消防保安課が県内の消防団員の現状について報告。現在、県全体の団員数が1万4716人で、前年度比220人減となるなど、減少傾向にあることから、県の支援事業などを活用し、消防団員の人材確保に努めることを求めた。

 同総会は、毎年春と秋に県内の消防本部持ち回りで開催しており、奄美市での開催は9年ぶり。県内20消防本部のトップ20人と県消防保安課、県消防学校の担当者らが出席。開催地として大島地区消防組合の荒田省三消防長が議長を務めた。また、総会冒頭には、安田壮平市長も出席し、奄美群島の日本復帰70周年を迎えることなどに触れ、同市での開催を喜び、消防長らの来島を歓迎した。

 県内の消防団員については、減少傾向にある一方、女性消防団員は現在626人で前年度比32人増となっている。また学生消防団員は131人で同比40人の増加となっている。

 県消防保安課の坂野博志課長は「地域防災の中核的役割を担っている消防団が、将来に渡り継続して活動するためにも若い世代の人材確保が重要」などとし、県が実施している「消防団の力向上モデル事業」の活用を呼び掛けた。

 このほか、各消防本部からの意見要望では、沖永良部与論地区広域事務組合消防本部が、沖縄県が25年度の導入を目指している「県消防防災ヘリ」について、県域を越えた運用に向け、鹿児島県と沖縄県の連携を求めたのに対し、県消防保安課は「沖縄県の防災ヘリに関する情報を持ち合わせていないが、貴重な意見として、今後の状況などを確認していきたい」とした。

 総会に続き、7日には各消防組合の代表20人による意見発表が、市民交流センターである。奄美群島からは沖永良部与論地区の山本翔士消防副士長、徳之島地区の藤田和樹消防士、大島地区の幸一星消防副士長がそれぞれ発表する。