3年ぶり入学式実現

3年ぶりに入学式。緊張した面持ちで祝福を受けた2人=6日、伊仙町立馬根小

新1年生2人が仲間に加わる
伊仙町馬根小、認校制度も奏功

 【徳之島】伊仙町立馬根(ばね)小学校(德永一哉校長)の入学式が6日、3年ぶり実現。校区外からの転入学を認めた特認校制度も効果を発揮。ぴかぴかの新1年生2人が仲間に加わり、全校児童数は前年度より1人増の11人。極小規模校区の住民たちにも笑顔が戻った。

 自然豊かな中山間地域に伊仙中部ダムなどをいだく馬根小校区(馬根・中山地区)の現情勢は約84戸・136人(今月1日現在)。少子高齢化のはざまで極小規模校と化して久しく、新入学児は2021年度、22年度ともにゼロが続いた。

 待望の新1年生は重松麗陽人(りひと)君と橋口真奈さんの2人。麗陽人君は特認校制度を活用して約4、5㌔離れた同町検福の自宅から兄(3年生)とマイクロバスで登下校(町が無料措置)。真奈さんは同校職員の2女で在学生の姉(6年生)と兄(3年生)に続いて校門をくぐった。

 体育館であった入学式には関係者約40人が出席。德永校長は式辞で、「三つの約束①あいさつ②なかよく③いのち(お父さんお母さんからいただいた大切な命、自分の命を守る)を」も強調。保護者たちには「くゎーど宝(子は宝)。馬根や徳之島、明日の日本を背負って立つ大事な宝。責任をもってお預かりし、やる気いっぱい、元気いっぱい、笑顔いっぱいの馬根っ子に」と約束した。

 来賓やPTA代表ら関係者あいさつに続き、在校生の常樹(いつき)君(6年生)が楽しい学校生活を交え「全校児童11人みんなが笑顔になれる楽しい馬根小を築いていきましょう」。緊張感から解放された式後、麗陽人君は「みんなとなかよく楽しい学校に」。真奈さんも「お勉強もがんばり、将来は歯医者さんになりたいです」とニッコリ。

 馬根・中山集落の稲島秋蔵区長(76)は「入学式ができてうれしい。コロナ禍でできなかったが、転入教職員の先生方の歓迎会も復活させ、学校を中心に地域を盛り上げれば」と目を細めていた。

 同町全体の新入学児童数は計62人。