奄振事務局長の坂本衆院議員抱負

島への思いなどを語る、坂本哲志衆院議員(議員会館で)

「再延長奮闘、5月中に視察」

 【東京】自民党政務調査会奄美振興特別委員会(森山裕委員長)が5日、自民党本部であり、元地方創生担当相の坂本哲志衆院議員(熊本3区)の事務局長就任が発表された。7日、議員会館で奄美新聞の取材に応じた坂本氏は「奄振の再延長に奮闘したい。奄美には5月中には視察に行きたい」と抱負を語った。

 鹿児島県以外での初めての就任については、「2週間ぐらい前に森山委員長から打診され、即決した」と語った。また「奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)を沖縄振興特別措置法に近づけたいとの要望が地元にある。早い段階で奄美を視察したい」。具体的には「5月中には行きたいと思っている」とした上で、延長には「住民の生活の環境改善が優先される。交付金をできるだけ増やし、それぞれの分野での上積みが必要だ」との見解を述べた。

 復帰70周年を迎える奄美群島、そんな節目での就任となった。「70年は1世から3世までの世代だ。誇りを持って、世代を超える奄美ならではのものの考え方や産業などを、世界に発信していけるような地域にしていかなければならない。その土台が70周年であり、先の世界自然遺産登録だろう」との印象を語った。

 一方、離島については「母親が天草なので、島の苦労、閉鎖性、良さも分かる。私も新聞記者時代、牛深という離島で暮らした。それらを奄美のために生かしたい」と島へ思いを込めていた。

 坂本氏は1950(昭和25)年生まれ。熊本日日新聞社、熊本県議を経て衆院議員に。菅内閣では、2020年9月~21年10月まで地方創生担当相に。森山派(近未来政治研究会)の事務総長のほか、農林水産委員会委員、党副幹事長などに就いている。奄美振興特別委員会は、直近まで尾辻秀久参院議員が委員長で、園田修光参院議院が事務局長として運営されていた。年2回開かれていたが、園田氏が22年7月の参院選で落選して以来、委員会はなく事務局長は空席のままだった。5日の委員会は同年1月以来となっていた。