禧久氏トップで5選 県議選大島郡区

トップ当選を決め、支持者らと万歳三唱して喜ぶ禧久氏

寿氏再選、自民現職が議席守る
投票率56・28%、過去最低更新

任期満了に伴う県議会議員選挙は9日投開票された。3人が立候補した大島郡区(定数2)は自民党現職の禧久伸一郎氏(66)が1万2014票を獲得、トップ当選で5選を飾り、次いで、同じく自民党現職の寿肇氏(49)が8520票で再選を果たした。いずれも徳之島が地盤の3人による三つどもえの戦いは、組織力を生かした現職の2人が制し、無投票だった奄美市区を含め、奄美群島の4議席すべてを自民党が占めた。無所属新人の盛本学氏(56)は草の根選挙で挑んだが一歩及ばなかった。大島郡区の投票率は56・28%で、過去最低だった2019年の前回選(60・30%)を4・02ポイント下回った。

大島郡区の投票は、午後6時までにすべての投票所で締め切られ、同8時から10町村の各開票所で開票作業が始まった。同9時半過ぎには、すべての開票作業が終了、新県議2人の顔ぶれが決まった。

禧久氏は、奄振法の延長、改正による地域振興や世界自然遺産登録を生かした観光振興と交流人口の拡大などを目指す「ヘルシーリゾートアイランド構想」の推進を掲げ、4期16年の実績を強調、支援を受ける各種団体を中心に自民、公明両党の町村議などの支援も取り付けるなど、組織力を生かし、終始盤石な戦いを展開。現職の知名度を生かし、地盤である徳之島のほか、奄美大島など群島各地で手堅く票を集め、他候補を引き離した。

寿氏は、「県政は農政にあり」をスローガンに、農業振興による雇用創出と所得向上などを掲げ、観光業などと連携した農産品のブランド化による地域経済の活性化などの政策を訴えた。現職として県政を担った4年間の実績を強調、地盤の徳之島で手堅い戦いを進めたほか、農家の立場に立った政策実現を呼び掛け、群島各地でも支持を広げた。

盛本氏は、出身高校の同窓会を中心に草の根選挙を展開。「農政、福祉、子育て支援」を柱とする県政推進を訴えた。地元伊仙町の町議らの支援を受け、「うらぎらない政治」を強調し、現職への批判票取り込みと無党派層への浸透を狙ったが、現職の壁は厚く、届かなかった。

大島郡区の当日有権者数は4万6674人(男2万3190人、女2万3484人)。投票者数は2万6328人(男1万3230人、女1万3098人)。

奄美市区(定数2)はいずれも自民党で新人の松山さおり氏(56)と元職の永井章義氏(66)の無投票当選が決まっている。