知名度武器に手堅く集票

必勝だるまに目入れをする禧久さん

大島郡区トップで5選の禧久さん
「島々の声、県政に反映」

9日に投開票された県議会議員選挙は、選挙戦に突入した大島郡区(定数2)に現職2人、新人1人が立候補。奄美群島10町村にまたがる過酷な選挙戦を制したのは、持ち前の組織力を発揮し、1万2014票を獲得した自民現職の禧久伸一郎さん(66)がトップで5選を決めた。残る1議席には自民現職の寿肇さん(49)が再選を果たし、無所属新人で初当選を目指した盛本学さん(56)が涙をのんだ。

徳之島町亀津の事務所には、開票が始まる午後8時には多くの支持者が詰めかけ、穏やかな雰囲気のなか吉報を待ちわびた。

同9時30分ごろ「当確」の一報が入ると、会場の支持者や関係者らは手を取り合って歓声を上げた。禧久さんが笑顔で登壇すると拍手はさらに高まり、歓喜の輪が広がった。

万歳三唱で喜びを分かちあった禧久さんはマイクを握り、「5回目のチャレンジだが、今回ほど緊張した選挙はなかった」とまずは安堵=あんど=。「99%の人が心配ないと言ってくれることが心配だった。(他陣営の動向などから)こちらの方が攻めの姿勢でいかなければと奮起できた」と振り返った。

期間中は、4期16年・現職といった高い知名度を武器に組織と連携し、幅広い支持層を手堅くまとめた。有権者の関心の低さなど、高まる危機感には自らが気を引き締め、無党派層の浸透にも努めてきた。

支持者を前に禧久さんは、農林水産業振興、観光や商工業活性化、離島の救急救命医療の充実などの推進を約束。「バッジをいただいたからには責任も伴う」と力を込め、「これからもしっかり島々の声を聞いて県政に反映できるよう、実行・実現に向けて頑張っていきたい」と意欲を示した。

池田豊吉後援会長(84)は「心配はあったが、無事5選を果たせたことが何よりの喜び」と胸をなでおろし、「いただいた1万人を超える意見をしっかり実行に移し、6期目に向けて足固めをしていただきたい」と激励した。