有志で徳三宝の墓参り

徳三宝をしのび墓参りに集まった人たち

今月23日に本番開催へ

 【東京】東京大空襲で非業の死を遂げた、徳之島出身の柔道家・徳三宝の墓参りが例年行われている。それを前に出身者有志による集いがあり、本番への準備をした。奄美群島日本復帰70周年の今回は、23日に開催される。

 「強力無双」「講道館四天王」として数多くの武勇伝を残した、徳三宝(本名・三寶=みたか)。郷土の豪傑は、1945(昭和20)年3月10日、東京大空襲で川へ飛び込んだ人を救う中、自らも亡くなったとされる。稀代の柔道家は江戸川区にある、目黄不動尊の最勝寺(平井1―25―32)に眠っている。

 偉業をしのぶ墓参は、これまで徳三宝のおいで、国立国会図書館長や参議院事務総長を務めた指宿清秀さんを迎え「徳三宝の会」を中心に十数年前から、命日直近の日曜日に開催されていた。だが、指宿さんが高齢化したことなどから参加者を有志に変更して継続されている。また、命日には欠かさず誰かが墓前を浄めていた。

 今回は、東京大空襲と重なる3月10日に奄美群島出身者有志が顔をそろえ、僧侶としても活動する芸人の甘味けんじさん(僧名・伊集院延弘=沖永良部島出身)の読経に続いて焼香した。世話人らは「命日にこうして出身者が集うのは、とても意義深いですね」(重久正光さん)、「奄美群島日本復帰70周年の今年は、本番では一人でも多く参加してもらいたい」(藤井壮望さん)と話していた。ほかに貴島広光さん、大江誠隆さん、小松ひろみさんが参加した。

 有志による「徳三宝参り」は23日に行われる。参加者は、JR総武線「平井駅」改札に午後2時集合となっている。