新県議インタビュー 禧久伸一郎氏

 

大島郡区トップ当選
若者が住み続けたい島へ
国や県巻き込み実行・実現を

県議選で選挙戦となった大島郡区(定数2)では、自民現職の禧久伸一郎氏(66)が1万2014票を獲得し5期連続でのトップ当選を飾り、自民現職の寿肇氏(49)が2期目への再選を果たした。9日間の選挙運動を通じて感じ取った住民の思いや島での振興策、新たなスタートに向けての意気込みなどを聞いた。
   ◇  ◇
―一夜明けて。
「身の引き締まる思い。喜びより5期目に向けて仕事をどうしていくかと考えることの方が多い」

―4年前との違いは。
「(選挙前の)3年間はコロナ禍で、各地での行動も限られていた。選挙が始まり挽回しなければならないと危機感はあったが、99%の人は『禧久さんは大丈夫』だと言う、これが心配だった」

―投票率が低下した。
「政治への関心が薄れてきている。日本の国は格差もあるがある意味豊かで、お金があれば生活はできる。例えば、移動式投票車を走らせるなど、投票しやすい環境を作っていくことが大事だ」

―県議としてのポジションは。
「段階的には副議長だが、(これまでは)重要な役割を担ってきたという自負もある。ベテラン議員として議会をまとめ、引っ張っていければ」

―公約、まずは何に取り組む。
「世界自然遺産登録の効果をどう促進するか。徳之島でいえば、格安航空機を関西圏から週2~3便の直行便を誘致する。これは7~8年前からやってきており、路線を確立したい。あとは(クルーズ船誘致に向けた)港湾整備、物価高対策も住民の生活に直結している。肥料価格高騰対策事業も5月で期限を迎える。延長を急ぎたい」

―奄振法が期限を迎える。
「大きな仕事で、必ず延長しなければならない。ハード事業も必要だが、生活に直結する公約はすべて奄振事業の中での話。屋久島、奄美群島、沖縄から中国、韓国などへ、点々とする旅行行程などの流れもつくりたい」

―どのような政治を心掛けていく。
「政治的課題は全国的に似ている。農林水産業の振興をはじめ、観光や島の生活、商工業を盛り上げることがコンセプトだが、次の世代を担う若者たちが、『住み続けたい』『住んでよかった』と思ってもらえる島づくりがすべての目標にあたる。政策は全部、そこにつながっており強い意志で取り組みたい」

―改めて意気込みを。
「実行・実現力。ただ島々の声を〝きく〟だけではなく、国や県にも顔が〝きく〟ことが大事。課題は山積しているが一つずつ進めていきたい」
(聞き手・青木良貴)

メモ

(きく・しんいちろう)拓殖大学商学部卒。鹿児島実業高校時は柔道にまい進し、強豪校でもまれた日々が現在の忍耐力を育んだ。20代で政治の世界に飛び込み、師と仰ぐ徳田虎雄前徳洲会理事長からは多くを学んだ。座右の銘は「真実一路」。課題解決まではぶれずにまっすぐ進み、「視線は常に国民・県民に向けておく」が信条だ。住民から聞いた意見や課題は小さなことでもメモに忍ばせ、いつでも確認する。朝のストレッチと運動が気力の源で、「同級生からも若いと言われる」ことを自負する。徳之島町亀津。66歳。