伊仙町制60周年 伝統文化と芸能の祭典

伝統文化・芸能を次世代へ。若手唄者たちの熱演=14日、伊仙町なくさみ館


勇壮な西伊仙東集落「棒踊り」保存会(町指定文化財)の演舞

「郷土の宝・魅力を再認識」

 【徳之島】伊仙町制施行60周年記念事業の「伊仙町伝統文化と芸能の祭典~次代に伝えるべきもの~」(同記念事業実行委員会主催)が14日夜、同町なくさみ館であった。伝統文化功労者らを表彰し、若手唄者たちの島唄ライブや町内東・中・西部地区代表の伝統芸能、町民俗文化財「牛なくさみ」(闘牛)などで楽しませた。15日は町総合体育館で記念式典などがある。

 祭典は、地域に根ざした伝統文化や芸能、郷土伊仙町の魅力を再認識して〝町の宝〟を次世代に引き継ぐことなどがねらい。全国からの来賓を含め観客約千人を迎え、町内5つ保育園児たちのダンスや伝統芸能パフォーマンス、和太鼓集団「黒潮太鼓」の勇壮な演奏で午後6時に開会した。

 同実行委会長の大久保明町長はあいさつで「この伊仙町は合計特殊出生率が15年間平均で圧倒的に日本一。この10年間、小中学校の児童生徒が約180人増えた。その大きな要因の一つはこのなくさみ館を中心とした闘牛文化であり、子どもたちは必ず島に帰ってくる。闘牛文化を中心にしたまちづくりを進めたい」などとアピール。

 表彰式では、集落の伝統文化の継承や竹細工を通じ子どもたちへの昔の遊びの紹介、町内各校への門松の寄贈など貢献する幸山忠重さん(91)=同町目手久=に功労賞。永田大旺さんと大倉昴希さん(面縄中1年)に「伊仙町の未来に期待すること」作文の特別賞。社会教育功労部門では闘牛各階級の元チャンピオン牛所有者ら25人を表彰した。

 第1部の「伝統文化と芸能の祭典」では、若手唄者の永田心花さん・指宿桃子さん・武なるみさんによる「朝花節」など島唄ショー。伝統芸能「ションマイカ踊り」(上面縄)、「棒踊り」(西伊仙東)、「イッサンサン」(東犬田布)の各保存会が熱演。メインゲストの内三千代さん(関西在住)の島唄ステージなどで魅了した。

 第2部「牛なくさみ」では、沖縄闘牛界の人気実況アナウンサー伊波大志さん(38)の名解説を交え、筋骨隆々に鍛え抜かれた若手牛2組の激突でわかせた。

 記念式典は15日午前10時から町総合体育館で。同館サブアリーナでは記念展示(カムィヤキ・60周年の歩み・泉芳朗の足跡・徳之島の自然・闘牛文化・小学生の絵画展など)も併催する(22日まで)。