「まやにゃんバーカード」第1号交付

奄美市役所でまやにゃんバーカードの交付を受ける興津さん(右)

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飼い猫ナナのまやにゃんバーカードと興津さん

大切な飼い猫の身分証に
奄美大島ねこ対策協 適正飼養呼び掛け

 カードは飼い猫の適正飼養などが目的で、奄美の方言でネコを「まや」と呼ぶことから、マイナンバーカードをヒントに名付けられた。

 交付対象となるのは、同島5市町村の猫の飼い主で、①各自治体への飼い猫登録が済んでいる②避妊去勢手術済み③マイクロチップを装着している④完全室内での飼養をしている―の4項目を満たしていることが条件。

 表には飼い猫の写真と名前、鑑札番号、飼い主の名前と住所などを記載。裏面にはマイクロチップ番号、誕生年、性別、毛色、性格などのほか、飼い主の緊急時に飼い猫がいることを知らせ、保護を求める連絡先なども記載することができる。

 発行手数料として1000円かかるが、同協議会では所有者限定のイベント開催や飼養講習会の開催、景品のプレゼントといった特典も計画している。

 カード交付第1号となったのは、同市名瀬安勝町の興津絵美さん(26)。環境省の自然保護官として、同市住用町の奄美大島世界遺産センターなどで勤務する興津さんは、実家の熊本市で暮らしていた3年ほど前、保護猫のナナ(当時推定1歳)を譲り受けた。その後、北海道勤務を経て、昨年10月に同センターに赴任。ナナと一緒に奄美にやってきた。

 奄美市などで、カードの発行が開始されることを知り、いち早く申請を行った興津さんは「飼い猫の登録制度など適正飼養に力を入れている奄美大島の取り組みを知り応援したくなった」と話し、カードの出来栄えに「予想以上にちゃんとしたカードで、ナナのためにもいい記念になった。もっとたくさんの人がカードを持つようになってもらいたい」と話した。

 奄美大島の5市町村では、11年に「飼い猫の適正な飼養及び管理に関する条例」を施行、ノネコの元になる野良猫の増加を防ぎ、生態系の保全などに取り組んでいる。

 同課によると、同条例に基づき各自治体に登録された飼い猫は、今年3月末現在3040匹。うち、9割が避妊去勢手術済みで、7割がマイクロチップを装着している。同課の信島賢誌課長は「飼い猫を対象としたナンバーカードの発行は、全国的にも珍しいと思う。大切な飼い猫と楽しい時間を過ごすアイテムにしてほしい。カード発行を通して、ネコの適正飼養につながることを願っている」と話した。

 カードは各自治体の担当課窓口やインターネットなどで申請できる。カードに関する問い合わせは奄美市世界自然遺産課(電話0997―52―1111)へ。