奄振審議会

オンライン併用で開催された第117回奄美群島振興開発審議会の様子
                          

法延長・制度拡充を
WEB併用で奄美群島振興開発議論

 【東京】第117回奄美群島振興開発審議会(会長・石塚孔信鹿児島大学法文教育学域法文系教授)が18日、千代田区霞が関の中央合同庁舎第2号館を拠点にオンライン併用で開催された。会議では奄美群島振興開発特別措置法(奄振法)が、2023年度末に期限を迎えることから、今後の奄美群島振興開発について論議が繰り広げられた。

 同会議には、11人の委員が出席し石塚会長が進行した。鹿児島県からの奄美群島振興開発調査報告書の説明に続き、奄美群島広域事務組合を代表して安田壮平氏(奄美市長)が「奄美群島成長戦略ビジョン2033」について説明。「人口減少の中での大規模災害への対応や脱炭素への取り組み」など現状報告。その上で「教育及び文化や農業の振興に関する事業、輸送コスト支援拡充のため10年後の奄美を見据えた」と概要を紹介、各委員は理解を示していた。

 伊村達児氏(伊村農園代表)は、沖永良部島での生産者の立場から発言。「自然災害と戦争によって農畜産業は厳しい。ジャガイモの赤字を基金で助けられた」と自身の経験も踏まえ、奄振法延長を訴えていた。副会長の海津ゆりえ氏(文教大学国際学部教授)は「ハワイはオアフ島に行ってから他の島へというように、まずはどこへ来てもらって、どこへ行ってほしいかの視点も」と観光面での宣伝も強調した。

 高岡秀規氏(大島郡町村会会長)は制度拡充へ思いを熱く述べた。「多様化する農業に関する事業や、若年層の問題解決に向けた教育制度が必要だ」などとし「上下水道についての補助率かさ上げも」と要望した。

 塩田康一氏(鹿児島県知事)は「奄美群島日本復帰70周年を迎え交通基盤、社会基盤も整備されつつあるが、課題はある。そのため奄振法の延長は欠かせない」と語った。また、10月に「復帰70周年」を冠にした国体の一部競技が奄美で開催されると紹介された。

 ほか各委員からは、移住問題や沖縄との連携が言葉にあがっていた。事務局からは、委員からの提案を整理して意見具申されると報告がされ閉会した。