「みどりの日」自然環境功労

薗博明さん

鳥飼久裕さん

薗さん、鳥飼さん
保全活動の推進評価 

 環境省は17日、2023年度「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰者を発表した。県内では保全活動部門で、NPO法人環境ネットワーク奄美代表、薗博明さん(88)とNPO法人奄美野鳥の会副会長、鳥飼久裕さん(63)が受賞。自然に関して特色ある保全活動を推進したことが評価された。

 同表彰は、自然環境の保全に関して顕著な功績があった個人、団体をたたえるとともに、国民の認識を深めることが目的。部門は、▽保全活動▽いきもの環境づくり・みどり▽自然ふれあい▽調査・学術研究▽国際貢献―の五つ。今年度は、個人21件、団体10件の計31件が受賞した。

 薗さんは1995年、アマミノクロウサギなどを原告とした「自然の権利訴訟」を提訴。多くの人々が自然破壊・環境問題に関心を寄せたほか、奄美大島の野生生物、生態系の貴重さを、海外にも広く伝えた。

 鳥飼さんは、2000年より、奄美大島の固有種オオトラツグミ、アマミヤマシギの保護増殖、生態調査に関する運営、鳥類の保護・普及啓発活動を精力的に行ってきた。

 薗さんは「自分がやってきたことは無駄ではなかったと思う。この20年で環境保全に対する理解者が増えてきたと感じる。評価していただきうれしい」と語った。

 鳥飼さんは「これまでの活動を評価していただき大変光栄。今後も、アマミヤマシギの生態の解明に向け調査を続けて、保全保護につなげていきたい」と話した。