群島各地で海開き

わが子の足を海水に浸して無病息災を願う家族や親子たち

 

サンガツサンチ 3年ぶり手形復活も
コロナ前のにぎわい戻る

 

 旧暦の3月3日(サンガツサンチ)にあたる22日、奄美群島各地で海開きがあった。海辺には多くの家族連れが繰り出し、初節句や初泳ぎを楽しむ姿がみられた。今年は3年ぶりに手形プレゼントなども復活、新型コロナウイルス流行前のにぎわいが戻ってきた。

 奄美市笠利町の用安海岸では、同町のリゾート施設「ばしゃ山村」(奥篤次社長)が恒例の海開き。役場や海上保安庁、観光事業者など25人が祭事に参列し、今シーズンの海の安全を祈った。

 式では神事のほか、山下聖子さんがシマ唄を奉納。海開きが宣言されると約20組の親子が波打ち際に向けて駆け出し、赤ん坊の足を海水に浸しては、健やかな成長を願った。

 同町土盛の深田譲さん(42)と可菜子さん(37)は生後9カ月の長女・琉夏ちゃんと体験。冷たい海水にも笑顔を見せる琉夏ちゃんに、「普段からやんちゃで何にでも興味を示す性格。自然のなかで、このまま素直で健康に育ってくれれば」と目を細めた。

 イベントでは、手形や足型の色紙プレゼント企画も復活。親子らがにこやかな表情で列に並んでいた。

 奄美大島観光協会の越間得晴会長は「海のレジャーも奄美には欠かせない観光資源。夏に向けて例年のような活気が戻ってくれれば」と話した。

 この日は、瀬戸内町観光協会も同町の清水海岸で実施。50組には初節句を祝う「フチモチ」が配られた。群島内では、大浜海浜公園、沖永良部、与論などでも海開きが行われた。