民謡全国予選・シマ唄九州予選

小学校高学年の部優勝の峰岡朋輝君

青年部優勝の森田美咲さん

目立つ徳之島勢の活躍

 8月の全国大会出場をかけた予選となる「民謡民舞少年少女奄美連合大会」(公益財団法人日本民謡協会及び同奄美地区大会実行委員会共催)と、9月の九州大会出場を目指す「奄美シマ唄日本一大会」(同)が22日、県奄美パークであった。奄美大島、徳之島、喜界島から島を代表する唄者が一堂に会し、最年少7歳から80代までが鍛えぬいた喉を競った。

 少年少女の部には3部門に26人が出場、各部門3位までの9人が8月19、20の両日東京都台東区の浅草公会堂で行われる全国大会への出場権を得た。

 8人が出場した小学校低学年の部は、1~3位を奄美芸能徳之島会が独占。いずれも初出場で、優勝した石井開道(かいどう)君(7)は「練習よりよくできた。元気よく唄えた」と自己評価した。

 同高学年の部で優勝した同会所属の峰岡朋輝(ほうらい)君(11)は、姉・歩嬉さんが昨年の全国大会で優勝したことが刺激になったと話し、「お姉ちゃんはライバル。いつか追い越したい」と意欲をみせた。

 指導する指宿桃子さん(31)は「大会に出ると決まってからの成長が著しかった。低学年の部独占には驚いた」と語った。

 審査委員長の榎本秀水・日本民謡協会常務理事(青少年部長)は「子どもは成長過程にあり、まだ低音が出ていない。上達していくには腹式呼吸の訓練を意識してやり続けてほしい」と講評した。

 入賞者は次の通り(全国大会出場者は3位まで)=敬称略=。

 【小学校低学年】優勝=石井開道(奄美芸能徳之島)、準優勝=坂本みなみ(同)、3位=直島穂月(みつき)(同)、4位=原琴子(あやまる会)

 【同高学年】優勝=峰岡朋輝(ほうらい)(奄美芸能徳之島)、準優勝=原美波(あやまる会)、3位=土谷笑鈴(えみり)(同)、4位=久原(くはら)奈子(喜界会)、5位=芳村しずく(奄美芸能徳之島)

 【中学校】優勝=津畑杏朱(同)、準優勝=興花佳(瀬戸内会)、3位=鼎沙羅(同)、4位=萩原ふく(あやまる会)
 

 シマ唄大会には70人

 午後の部となった「奄美シマ唄日本一大会」には高年から成年まで7部門に総勢70人が出場した。自らの出場と、ほかの出場者の伴奏を兼ねる人も多く、舞台裏では混乱もみられたが、それぞれの持ち味を発揮した唄が披露された。入賞者は9月2、3の両日、熊本・人吉スポーツパレスで行われる民謡民舞九州大会への出場権を手にした。

 青年部で優勝、準優勝を果たした徳之島民謡研究会の森田美咲さん(28)、葉月さん(21)姉妹は「緊張した」と声をそろえた。別の民謡大会で優勝経験のある美咲さんは「息ののばしがうまくできなかった」と反省しつつ「大会に出るのは6年ぶりだが気持ちよく唄えた」と話した。葉月さんは、欠場者があったため、姉の〝はやし〟をして直後の出番となった。「練習通りに行かなかった。九州(大会)では姉に負けない」と次を見据えていた。

 シマ唄日本一大会の入賞者は次の通り(全員九州大会出場)=敬称略=。

 【高年三部】優勝=昇喜代子(名瀬ルリカケス会)、準優勝=日置幸男(同)

 【同二部】優勝=村田頼子(同)

 【高年一部】優勝=平久美(北大島会)、準優勝=泉典子(山ゆり会)、入賞=岡村昌子(同)、荒田スミ子(名瀬会)、福田のり子(瀬戸内会)

 【中年】優勝=福山幸司(北大島会)、準優勝=上原京子(瀬戸内会)、入賞=保須々武(同)

 【壮年】優勝=川口成美(北大島会)、準優勝=吉美智子(山ゆり会)

 【成年】優勝=松崎博文(北大島会)、準優勝=薮内寛和(名瀬ルリカケス会)、入賞=潤さつき(瀬戸内会)

 【青年】優勝=森田美咲(徳之島民謡研究会)、準優勝=森田葉月(同)、入賞=永田心花(このか)(奄美芸能徳之島)、辻美里(あやまる会)、指宿桃子(奄美芸能徳之島)、萩原かほ(あやまる会)、朝岡歩紀花(ほのか)(山ゆり会)