小中高生が一日館長に

館長室で公文書に押印する「一日館長」の3人

 

 
奄美図書館「子ども読書の日」で
司書業務や読み聞かせ体験

 

 「子ども読書の日」の23日、奄美市名瀬の県立奄美図書館(加峯美由紀館長)で、小中高生の3人が「一日館長」に就任し、館長業務にチャレンジ、図書館の仕事体験や施設の見学などを行った。3人は絵本などの読み聞かせをする「本もともだちおはなし会」にも参加、子どもたちに本の楽しさを伝えた。同日は、同図書館の開館14周年でもあり、加峯館長は「子どもたちや地域住民にもっと身近に感じてもらえる図書館にしていきたい」と抱負を語った。

 一日館長に任命されたのは、奄美市立赤木名小6年の恵照悟君(11)、同市立小宿小中3年の山下蓮さん(14)、県立大島高校2年の小林結織さん(16)。3人は、加峯館長から委嘱状とタスキを受け取り、館長体験をスタート。公文への押印業務を済ませた後は、おはなし会参加のための読み聞かせを練習。約50人の親子らを前に、読書の楽しさや絵本の面白さを伝えた。

 このほか、普段は立ち入ることのできない閉架書庫では膨大な蔵書に触れるなど図書館の裏側も見学。カウンター業務では、返却された本をバーコードで読み取り、汚れや破損がないかどうか調べて棚に戻した。

 戦国時代などの歴史の本が好きな恵君は「読み聞かせは緊張したけど、いろんな本があって楽しかった」と話し、山下さんも「日頃見ることができない図書館の裏側を見ることができて良かった」と話した。図書館司書を目指している小林さんは「司書の仕事が更に好きになった。本の楽しさを子どもたちに伝えられる司書になりたい」と笑顔で話した。

 同図書館は、2009年4月23日に、同市名瀬小俣町から同地に移転。名称も県立図書館奄美分館から奄美図書館に改称した。館内には、初代分館長の作家・島尾敏雄の展示コーナーのほか、学習、研修室などがあり、奄美の文化振興を担う中核施設として多くの島民らが利用している。

 加峯館長は「一日館長を務めた子どもたちの意見なども取り入れながら、多くの人に愛され親しまれる図書館になるよう努めていきたい」と話した。