彫刻家・木田詩子さん寄贈

ブロンズ像「千年の木」の除幕式に出席した木田詩子さん(22日、与論町立長)=提供写真=

ブロンズ像に祈りを込めて
与論町で除幕式

 彫刻家・木田詩子さん(56)によるブロンズ像作品「千年の木」が与論町に寄贈されるにあたり22日、設置場所の同町立長、コースタルリゾート道路沿いで除幕式が行われた。山元宗町長、町職員のほか、同町観光協会ら関係者が出席。木田さんが、与論で魅了された「海の底」への思いが、「祈り」とともに捧げられた。

 木田さんは、埼玉県出身。ほぼ独学だという彫刻作品は、出展や出品のほか各公共施設への収蔵が多数。2020年、紺綬褒章受章。

 与論の海との出会いは、18歳頃のスキューバダイビング。木田さんのライフワークとなった、創作時のテーマ「水の底に眠る書」は、「宇宙遊泳のようだった」この時の体験が大きいという。

 展覧会など企画に携わる篠田正治さん(75)は約10年前に、木田さんの「与論の海に感謝の気持ちを込め、作品を納めたい」という「夢」を知ったという。管理上、海中への設置には至らなかったが、今回の寄贈に対して篠田さんは「作品が持つ力で、納まるべきところに納まった」と喜びを分かち合った。

 木田さんは「自身にとって初となる等身大の作品であり、最初で最後といえる特別な寄贈。今後、祈りの象徴として作品が存在してもらえれば」と語った。