大江さん(前東京奄美会会長)が審査委員長

受賞者たちと記念撮影に臨む大江さん(前列左から2人目)。円内は審査委員長として解説する大江さん

理工系学生対象の表彰式出席

 【東京】蒸留技術の第一人者で、前東京奄美会会長の大江修造さんがこのほど、千代田区で行われた審査委員長を務める理工系学生対象の表彰式に出席した。大江さんは、式で総評を述べるとともに未来を担う若者へエールを送っていた。

 元東京理科大学教授(理学部応用化学科)で、蒸留の専門家でもある大江さんが出席したのは「第23回理工系学生科学技術論文コンクール」(主催・日刊工業新聞社、モノづくり日本会議)。文部科学省、国立高等専門学区機構が後援、三菱商事が協賛、賛助・プリコとなっている。

「科学技術と日本の将来」と主題がある同コンクールの表彰式は、3月24日に、市ヶ谷のホテルで開催された。今回は工業高専、大学、大学院計54校から91編の応募があった。その中から厳選された10編をさらに審査委員らが読み込んで、入賞作品が決定されたもの。

日刊工業新聞社・代表取締役社長の井水治博さんがあいさつ。続いて大江さんが登壇。「日本の科学技術の将来への懸念と、その解決策を提案した真摯な論文が目立った」と応募論文について語り、独創性・将来性・論理性に優れた論文6編について解説した。また「政治、社会的問題など新しい分野が広がった。学生が日本の将来を意識している証拠で、審査員そろって感心している」と付け加えた。

 その後、文科省のあいさつのあと、写真撮影に。晴れやかな学生に頼もしそうな視線を送る大江さんは、審査委員長に就いて10年以上という。

 受賞者は次の通り(学部・学科・学年、敬称略)。

 最優秀賞・文部科学大臣賞、橋口創一(九州大学)。優秀賞、三浦雅郁(関西医科大学)、同・奥井大貴(島根大学大学院)。特別賞、矢野栞(東京農工大大学院)、同・中本那央(京都大学)、同・上川伶(北海道大学)。

 なお、大江さんは5日、産業発展に貢献した企業を表彰する「第52回日本産業技術大賞(日刊工業新聞社主催)」で最高賞の内閣総理大臣賞に輝いた、横川電機の推薦人として表彰式に出席している。