子ども第三の居場所「コランネ」開所

協定書に署名する(左から)野中理事長、高岡町長、木田部長

「みらい創りラボ・いのかわ」の前で、「コランネ」の開所を喜ぶ野中理事長ら関係者

徳之島町のNPO運営
学習支援や自然体験

【徳之島】子育て支援や子どもの健全育成活動などを行う徳之島町のNPO法人「親子ネットワーク・かじゅまるの家」(野中涼子理事長)は29日、「子どもの居場所『コランネ』」を、同町井之川のコワーキングスペース「みらい創りラボ・いのかわ」に開所した。日本財団が全国で支援展開する「子ども第三の居場所」事業のコミュニティモデルとなる施設で、週3日、小中高生を対象に受け入れ、学習支援や自然体験、食事の提供などを行う。奄美群島では、沖永良部島3カ所、奄美市1カ所に同様の施設があり、徳之島では初めて。県内では6カ所目の開所となった。

 

同日行われた開所・調印式には、野中理事長(47)と、施設を所有する徳之島町の高岡秀規町長、事業を支援する日本財団の木田悟史経営企画総務部長(45)ら関係者約30人が出席。3人がそれぞれ協定書に署名し、施設の開所を祝った。

野中理事長によると、名称の「コランネ」には、「おいでよ」といった意味が込められており、「学校に行くことができない子どもだけでなく、様々な理由で自分の居場所を探している子どもたちが、気軽にくつろげる場所にしたい」という。

活動拠点となる「みらい創りラボ・いのかわ」は、旧へき地保育所跡で、2017年から同町のコワーキングスペースとして活用されている。Wi―Fiを完備した施設環境を利用したプログラミング教室などにも利用されている。

コランネの活動日は月曜、木曜(いずれも午前9時~午後6時)と土曜日(午前9時~午後3時)。利用希望者は事前登録した上で、1カ月千円から利用できる。学習支援や、地域住民などと連携した自然体験や農作業体験、郷土料理づくりなどにも取り組む方針で、野中理事長は「子どもたちだけでなく、地域の皆さんも気軽に立ち寄れる交流の場、居場所づくりを目指したい」と抱負を語った。

「子ども第三の居場所」は、日本財団が2016年から全国で展開する支援事業で、「誰一人取り残されない地域子育てコミュニティ」を理念に、事業開始のための助成や、運営スタートから3年間の資金援助なども行っている。

開所式に出席した同財団の木田部長は「子宝の島、徳之島の子どもたちの笑顔があふれる場所になることを期待している。全国の施設と連携しながら、いろんな取り組みを実践できるよう協力していきたい」と話し、高岡町長は「民間の力で、子どもたちを支援する取り組みは大変ありがたい。町としても学校に行けない子どもたちへの支援に向け連携していきたい」と話した。