総搬入量2.9%減の37万4千㌧

 

 

22~23年期 平均甘しゃ糖度、生和のみ上昇
大型製糖工場5社

 

 奄美群島の大型製糖工場5社は先月中旬までに、2022~23年期の製糖を終了した。5社の総搬入量(生産実績)は37万4785㌧で、前期比1万1385㌧(2・9%)減少。喜界島、奄美大島の製糖工場は前期を上回ったが、他は下回った。平均甘しゃ糖度は生和糖業(喜界)のみ前期より上昇、他も大きな低下ではなく、平年以上の品質を確保したところがほとんどだった。

 搬入終了が最も早かったのは与論島製糖の3月21日。続いて奄美大島の富国製糖(同23日)、沖永良部島の南栄糖業(同29日)、徳之島の南西糖業(同30日)が終了、唯一、4月以降も操業が続いていた生和糖業は4月11日に搬入を終えた。

 搬入結果を各工場別にみると、生和糖業は前期比3・8%増、2785㌧上回った。平均甘しゃ糖度は前期より0・28度高い15・69度で過去最高の品質を記録、群島内で最も高かった。量・質の上昇要因について、量は「夏植え面積が拡大したことで単収が向上」、質は「冬場にかけて気温が低くなり登熟が進んだ」を挙げている。基準糖度帯の割合は、基準糖度帯(13・1~14・3度)が7・2%、13度以下が0・6%、14・4度以上が92・2%(過去最高)。

 富国製糖の搬入量は前期比6・3%増、1631㌧上回った。平均甘しゃ糖度は前期より0・51度低い15・15度。基準糖度帯以下3・1%、基準糖度帯17・7%、基準糖度帯以上79・2%。基準糖度帯以上は前期(93・2%)を下回ったものの高い割合にあり、「前年に続いて台風被害がなく葉の状態が維持されたほか、年末・年明け以降の気象条件(低温など)も比較的良く、品質面の糖が伸びた」。

 群島最大のサトウキビ産地にある南西糖業の搬入量は前期比0・8%(1364㌧)減となり、わずかに下回った。「生産農家の高齢化に伴う春植え作業の機械化依存や、(前期)収穫後の春植え作業・肥培管理作業の持ち越し比率の高さも影響した」。平均甘しゃ糖度は前期より0・38度低かったが、前期産が過去最高の14・69度だったこともあり、「平年以上と良好」。

 南栄糖業の搬入量は前期比14・8%減、1万3564㌧下回った。減少割合は群島内で最大。平均甘しゃ糖度も前期より0・78度低い14・81度。梅雨が長引いたことによる日照不足や、夏場にかけては干ばつの影響もあり、量・質ともに前期を下回った。夏場のかん水対策(サトウキビほ場への水かけ)の徹底が求められている。

 与論島製糖の搬入量は前期比3・5%減、873㌧下回った。平均甘しゃ糖度も前期より3・00度低い14・09度で、群島内で最も高かった前期(17・09度)から一転、最も低い平均糖度となった。量は梅雨時期の長雨と日照不足、夏場の少雨により生育が緩慢となり影響。質の方は11~12月の多雨と1月の寒波が影響した。