「奄美黒糖焼酎の日」の、9日に開催される奄美黒糖焼酎女子倶楽部主催のイベントを案内するチラシ
5月9日とあす10日は「奄美黒糖焼酎の日」。新型コロナウイルス感染拡大に翻弄=ほんろう=された業界も飲食店利用客の回復に伴い業務用の需要から、今年に入り出荷量の伸びが続いている。見送られてきた関連イベントも開催、群島内のみで製造されている奄美黒糖焼酎のPR活動を展開する。
奄美黒糖焼酎の日は、5(コ)9(ク)10(トウ)の語呂合わせ。奄美の伝統文化として継承されてきた黒糖焼酎の全国発信と産業振興につなげようと2009年に制定された。
県酒造組合奄美支部(乾眞一郎支部長)によると、今年に入ってからの黒糖焼酎の出荷量(課税移出数量)は1月が425㌔㍑(県内212、県外213)、2月499㌔㍑(県内261、県外238)、3月693㌔㍑(県内416、県外277)。前年同月比では1月102%(県内83%、県外130%)、2月105%(県内93%、県外122%)、3月118%(県内110%、県外134%)となり、いずれの月も上昇、前年割れが続いていた県内も3月は10%の伸びと上回った。
奄美支部は「業務用の伸びが業界をけん引することから、行動制限やマスク着用など規制が緩和されたことで居酒屋など飲食店の利用が回復したのが大きい。4、5月も出荷量が前年より伸びるのではないか。ただコロナ前の状況まで戻るかは、1年間通して見ないと判断できない」と指摘する。
黒糖焼酎の日に関連したイベントでは、支部の下部組織である奄美黒糖焼酎女子倶楽部(渡悦美部長)主催の「第2回月ぬきゅらさ~や~Ⅰ LOVE シマ~」が9日午後6時半から奄美市名瀬の奄美観光ホテル4階(女性限定先着50人)である。第1回目は昨年11月に開催。女子倶楽部が支部の組織として認められたこともあり、2回目は黒糖焼酎の日に合わせることになった。
奄美大島内の蔵元関係者のほか管理栄養士の資格を持つ行政関係者も会員として加わっており、地元の食材を使ったヘルシーなコース料理、黒糖焼酎のカクテルを提供する。若い人々にアピールする「おしゃれな飲み方」だけでなく、長年にわたっての愛飲の方が業界にとってもメリットがあることから「健康的な飲み方」も提案していく。