見慣れた非接触型検温器も次第に数を減らすのか
新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが8日から5類へ移行した。マスク着用ルールは先月13日から個人の判断に委ねられ、〝脱マスク〟を図る人も増えてきている。一方、公共施設やスーパーなどでの着用率は高いまま。高齢者施設や病院では、コロナ禍と同様の対応を続けるところが多く、非日常からの脱却には時間を要しそうだ。
奄美市役所では「特別な指示があるわけではなく、職務によって個人で判断している」というが、市民窓口などで対応する職員は100%マスク姿。直接窓口で対応にあたる機会の少ない部署でも8割が着用していた。
訪れた市民は、順番待ちをしていた20人のうち7人がノーマスク。立場の違いが着用率の差を生んでいた。
マスクなしの60代の男性は「職場ではフロアに6人いるが、誰もしていない」、60代女性は「若い人はマスクなし、年配者はしている」といい、「買い物の時もしていない。気を使うのは病院くらい」と話す人も。
着用していた30代女性は「マスク慣れしてしまった。たまに外すくらい」と外すタイミングを計っている様子。
ヤクルトレディ歴24年の益森美智子さん(54)は「営業先では着けていない人が増えている印象。でも個人の家に行くと、着けてから出てくる人もいる」とまちまちな様子を話した。コロナ禍で売り上げは落ちたが〝免疫力を上げる〟と評判になった商品の影響もあり、一気に回復したという。
同市内にあるホテルでは、入り口の非接触型検温器は撤去する意向。レストランのパーテーションも、食事を並べにくいことや客からの要望ですでに取り外したという。大量の在庫は「倉庫に山積み」だといい、その処理方法は決まっていない。
飲食店でも「万一に備えて保管するか、処分するか。処分するにしてもお金がかかる」と悩むところも。
両業種とも「接客業なので従業員のマスクはまだ外せない」と慎重に対応する構え。
ドラッグストアでは「マスクの在庫は徐々に減らしてきている。売り上げもピークの10分の1もない」と、脱マスクに舵を切っていた。
(平田 実)