奄美野鳥の会に環境大臣賞

奄美野鳥の会、2022年の「オオトラツグミさえずり一斉調査」


「オオゴマダラ」を観察する佐仁小の児童たち(提供写真)

佐仁小、環境省自然環境局長賞
愛鳥週間野生生物保護功労者表彰
環境省発表

 10日からの「愛鳥週間」を前に環境省は9日、野生生物保護に関し顕著な功績のあった個人及び団体を表彰する「第77回愛鳥週間2023年度野生生物保護功労者表彰」で、NPO法人奄美野鳥の会(永井弓子会長)に環境大臣賞、奄美市笠利町の佐仁小学校(根釜文子校長、児童10人)に環境省自然環境局長賞が授与されると発表した。14日に東京都港区の虎ノ門ヒルズフォーラムである、第77回愛鳥週間「全国野鳥保護のつどい」(環境省、(財)日本鳥類保護連盟共催)の記念式典で表彰される。

 発表によると、奄美野鳥の会は▽長年にわたり、絶滅危惧Ⅱ類(環境省第4次レッドリスト)の野鳥「オオトラツグミさえずり一斉調査」の実施▽毎月1回以上の探鳥会、自然観察会の開催、小・中学校への出前講座などの啓発活動▽アマミヤマシギなどの希少種の生態調査や越冬サシバの保全に向けた調査実施―などが評価された。永井会長は「これまでの地道な活動を評価してもらいありがたい。すべての活動が自然保護につながるので、この受賞を励みにこれからも頑張る」と話した。

 佐仁小学校は▽約19年間、奄美大島に生息していない野生のチョウ、オオゴマダラの飼育・観察活動の取り組み▽同取り組みを通して、自然を愛する心や優しいものに感動する心を児童一人ひとりに目指した情操教育への取り組み―などが評価された。奥園淳一教頭は「子どもたちの日頃の飼育・観察活動や環境に対する取り組みが認められてうれしい」と喜びを語った。

 愛鳥週間は、野鳥を保護し愛鳥思想を広く国民に普及することを目的に、1947年4月10日に「バードデーの集い」として始まった。その後、50年に毎年5月10~16日の1週間を「愛鳥週間」と定め、現在まで続いている。