奄美市マリンタウン

売買契約が取り消されたマリンタウン地区の分譲地

売買契約が取り消しに
第2回公募で売却内定の分譲地
観光・流通用途2区画約4千平方㍍

 2021年2月に実施された奄美市名瀬の名瀬港本港区埋立地(マリンタウン地区)の第2回公募で、契約候補者となっていた事業者との売買契約が3月末までに取り消されたことが9日、分かった。市によると、契約が取り消されたのは、観光・流通用途の2区画(1街区)、面積約4千平方㍍で、売却額は約5億円。3月中旬に契約候補者となっていた事業者が売買契約の辞退を申し入れ、市が契約候補者の内定を取り消した。取り消しに伴う損害賠償などは発生しない。市は今回、契約取り消しとなった土地も含め、マリンタウン地区内の売却先が決まっていない5区画について、10日から再公募を開始する。公募は今回で4回目となる。

 市によると、21年2月の公募は奄美市開発公社が実施。同年10月、この事業者が契約候補者に内定し、本契約に向けた協議を開始した。その後、同開発公社の宅地建物取引事業者の免許失効が発覚、22年1月、同市に事業が引き継がれたが、事業者側との本契約に至ることはなかった。

 市財政課によると、市は今年3月末までの契約完了を目指していたが、昨年12月に事業計画の変更案が事業者から示されたため、市土地処分検討委員会などで協議し、変更を認めないことを決定。事業者側に通知したところ、契約辞退の申し入れに至ったという。

 内定取り消しについて市財政課は「契約候補内定後の計画変更は、公募の公平性から認められない。当初計画通りの売買契約を目指していただけに残念」とした。

 マリンタウン地区の土地分譲については、これまで19年7月の第1回公募から22年7月の第3回公募まで計3回の公募が行われ、15区画が総額約30億6100万円で売却された。

 一方、同開発公社が免許失効の状態で土地取引を行ったことが、宅地建物取引業法違反となり、新たな免許取得ができなくなる事態が発生。昨年11月には、使用用途の変更などの問題から、売買契約を締結した事業者との売買契約が解除されるなど、今回の契約取り消しも含め、土地取引に関する問題が複数起きている。