星槎大学サテライトカレッジのスタッフらと卒業式に参加した前幸貴さん(中央)=3月18日、知名町=
和泊町の前幸貴さん(72)
「誰もが安心して暮らせる町に」
【沖永良部】和泊町の前(すすめ)幸貴さんがこのほど、通信制の星槎大学を卒業した。入学から5年かけて国家資格「社会福祉士」の受験に必要な単位も取得し、昨年度の試験で合格を勝ち取った。
2017年に同大学サテライトカレッジが知名町に開校したのをきっかけに「機会があれば学びたい」と思うようになったという。それから1年後、入学を決意した。
前さんは、12年前に和泊町役場を退職してから、同町の人権擁護委員や社会福祉協議会の理事などを務めてきた。
「どうすれば、身近にいる障がいを持つ人やお年寄りをサポートできるのか」。長年考えてきたことを学問的に学ぶため、大学では福祉専攻に進み、国家資格である社会福祉士の取得を目指した。
慣れないインターネットでの授業にも挑戦し、資格取得に必要な現場実習もやり遂げた。「サテライトカレッジのスタッフがサポートしてくれたおかげ。感謝しかない」と笑顔を見せた。
今年3月18日、オンラインによる卒業式が知名町エラブココで開催された。式では、卒業生一人一人の名前が読み上げられたほか、社会福祉士の養成課程において成績が優秀だった学生に贈られる日本ソーシャルワーク教育学校連盟表彰に前さんが選ばれた。
卒業式を終えた前さんは「卒業しても学ぶべきことはたくさんある。資格を生かし、住民が安心して暮らせる地域づくりに貢献していきたい」と語った。