知名町で群島議員大会

提出議題7件を採択した群島議員大会=知名町=

キビ交付金制度の充実要望
奄振法の延長など14項目決議

 【沖永良部】奄美群島日本復帰70周年記念第64回奄美群島市町村議会議員大会(同市町村議会議長会主催)が11日、知名町あしびの郷・ちなであった。各地域と議長会から提出された議題7件を採択し、奄美群島振興開発特別措置法の延長・拡充や世界自然遺産登録地域を含む奄美群島国立公園の持続可能な利用の推進など14項目を決議した。

 12市町村の議員や首長など約180人が出席。知名町での開催は12年ぶり6回目。

 議長会の向野忍会長(瀬戸内町議長)は「奄美群島の振興発展と地域住民の福祉の向上に寄与できる大会にしたい」とあいさつ。出席した国会議員1人と県議会議員4人が国政、県政について報告した。

 大会宣言を読み上げた知名町の福井源乃介議長は「今年度末で期限切れを迎える特別措置法の延長を勝ち取る」と述べ、さらに沖縄との連携強化や公共事業にかかる補助率のかさ上げを目指すとした。宣言は全会一致で可決された。

 提出議題は▽サトウキビ交付金単価の改定及び制度拡充とキビ農家の経営安定(和泊町、知名町、与論町)▽徳之島地区における無電柱化の推進(徳之島町、天城町、伊仙町)▽主要地方道湯湾新村線の早期完成(大和村、宇検村、瀬戸内町)▽生鮮食品の備蓄倉庫・コンテナヤード等整備(奄美市)▽東回り(オーシャンハイウェイ)観光ルートの整備(龍郷町、喜界町)▽離島地域の物価高及び燃油価格差の是正(議長会)▽2024年度以降の奄美群島振興開発特別措置法の延長・拡充(議長会)―の7件。

 南3町が提案したキビ交付金単価の改定については、品質取引となった2007年から15年間で「(トンあたりの交付金単価は)わずか540円しか引き上げられていない」とし、制度の充実・拡充を求めた。

 議長会から提出された離島地域の物価高と燃油価格差の是正については「島民や販売者の自助努力だけでは解消しえない課題だ」と訴えた。

 決議事項の14件は、奄美群島成長戦略ビジョンの実現と奄美群島振興交付金の拡充、災害対策推進と名瀬測候所の地方気象台の格上げ、情報ネットワークの整備・充実など。

 大会後には研修会もあり、沖永良部島で取り組んでいるゼロカーボンの取り組みについて知名町の地球温暖化対策専門職の乾大樹さんが講話した。

 大会では自治功労者表彰も行われた。被表彰者は次の通り。(敬称略)

 【10年以上在職議員】杉浦治俊(宇検村)、平岡馨、田畑浩、德永義郎(龍郷町)、河上弘仁、幸一美(喜界町)
 【5年以上在職議会事務局職員】白坂明子(徳之島町)
 【27年以上在職議員】安和弘(瀬戸内町)