ダイビングショップ協力でビーチクリーン

ダイビングショップの客らも手伝いに


山積みとなったごみを船で漁港まで運ぶのも大仕事だ

「思い出の浜をきれいにしたい」
笠利町喜瀬集落

 奄美市笠利町喜瀬集落(山下茂樹区長・85世帯)では12日、集落の呼び掛けで、奄美市役所、龍郷町役場、奄美海上保安部、集落の人らが参加し、地域の浜として親しまれてきた「おっ浜(ぱま)」のビーチクリーンに取り組んだ。この浜は、3月3日、5月5日、浜下れなどかつては行事でにぎわっていたが、若者たちが減り最近は訪れる人も少なくなっていた。

 集落の会計を務める野崎賢三さん(68)は、崎原出身。崎原のビーチクリーン活動に携わっていたこともあり、「ふと訪れた『おっ浜』の荒れ果てた姿になんとかしなくては」と、山下区長(75)に声を掛けた。

 この浜は区長が小学生の頃、遠足に訪れた思い出の浜でもあったという。ところが浜は歩いていくには遠すぎた。そんな折に、喜瀬漁港でダイビングショップ「ネバーランド」の代表、古田直基さん(37)に出会った。浜の清掃をしたいという野崎さんの言葉に「港を使わせているお礼がしたい」と古田さんは二つ返事で快諾、ダイビング用のボートを2隻出し、清掃活動をサポートすることに。昨年の12月に1回目があり、今回2回目になる。  

 この日はネバーランドの職員、客らも参加し、約30人が2隻のボートに便乗し、浜の清掃に向かった。1時間もすると、大きなブイや発泡スチロール、ペットボトルが浜に積み上がった。ボートに積み込み、漁港へ。38フィートの船で2往復するほどのごみが集められた。2㌧トラック1台、軽トラック2台に山積みになった。第1回目よりは少なくなっているという。

 作業が終わると、野崎さん手作りのランチが振る舞われ、参加者らは額の汗をぬぐいながら、頬張っていた。

 ネバーランドの古田さんは20代で奄美に来て17年間ダイビングに携わり、10年前くらいから喜瀬漁港を使っている。「『歩いていけない浜に行ってごみを取りたい』と、半年前に野崎さんに声を掛けられたのがきっかけ。島がなければ仕事は成り立たない。島に恩返しができて良かった」と笑顔で話した。ビーチクリーン作業は半年に1回ほどで続けられる予定。