プロボクサー 吉田実代さん写真集発売

お気に入りのページを解説する吉田さん

写真集をアピールする吉田さんと娘の実衣菜さん

父親の出身地 沖永良部島で撮影
米国での活動に意欲

【東京】父親が知名町出身のプロボクサー・吉田実代さんがこのほど写真集を発売した。会見を開くとともに、米ニューヨークを拠点に活動していくことを表明。母子2人で歩む新たなリングへ抱負を語っていた。
 
 吉田さんが記者会見を行ったのは、千代田区神保町の「書泉グランデ7階」のイベントスペース。4月12日に双葉社から発売された、自身初の写真集『VOLCANO吉田実代写真集(撮影・篠原潔さん)』を受けて、23日にマスコミ向けに開いたもの。

 ルーツである沖永良部島で撮影。鍛え抜かれたボディー、迫力満点のトレーニング、また白いビキニ姿など等身大の姿で収められている。「観光大使でもありますので、島の自然の素晴らしさを伝えたかった」。写真集の依頼に「冗談でしょ」とためらった吉田さんを後押ししたのは、沖永良部島の風景だった。また「格闘家、女性、母親であるという私の姿に注目が集まることで、同じような境遇の人に少しでも勇気が与えられたら」との思いもあった。

 「日本の女子ボクシングの厳しい状況を打破するのは、アメリカ。家族の時間も大事にしてくれる」。厳しいリングを克服しようと渡米を思い描いていた35歳のシングルマザーだったが、最終的に決断させたのは、8歳の娘・実衣菜(みいな)さんだった。「娘が嫌がったらやめようと考えていました。でも早くニューヨークの学校へ行きたい、と私以上になじんでくれた」と二人三脚での挑戦のゴングを振り返った。

 吉田さんは、その後27日(日本時間28日)に過密スケジュールの中で、米国デビュー戦を見事勝利(2―0の判定)で飾った。

 新天地での飛躍を秘めたアスリートボディーで魅了する写真集は、3500円(税抜き)。一番のお気に入りについては、「何と言っても海。こんなにきれいな海があるんだと多くの人に言いたい。それと、ガハハハッと笑っているカットですね」と目を輝かせた。環境が変わっても、シマッチュ魂で沖永良部島の観光大使として奮闘してくれそうだ。