「マンカイ食堂」対面で再開

おいしそうにカレーを食べる子どもたち(奥は、身を乗り出して見つめる竹田泰典町長)

子どもと高齢者にカレー
龍郷町秋名 集落見守りグループ「さねん花」

 龍郷町秋名集落の秋名見守り隊「さねん花」(山田眞砂子代表、メンバー30人)は13日、無料子ども食堂「マンカイ食堂」を再開、秋名幾里集落の子どもと65歳以上の高齢者にポークカレー120食分を振る舞った。会場の秋名集会場には、定刻の正午を待ちきれない子どもたちが次々と訪れ、にぎやかにお代わりを繰り返していた。

 「さねん花」は2011年、山田会長らが呼び掛けて高齢者の見守り活動グループとして結成。「当時は、今よりもっと年配者が多かった。男性が1人で親の介護をする姿を見て、10人くらいで居住マップ作りをしたのが始まり」と山田代表。子ども食堂は19年から始めたという。コロナ禍にあっても手作り弁当を学校や高齢者宅に届ける活動を続け、食堂形式の再開は4年ぶり。

 メンバーは午前8時半から準備を始め、子どもたちの来店を待った。

 授業を終え来店した秋名小6年・眞俐咲(しん・りいさ)さん(11)は「お米が硬過ぎず軟らか過ぎず…」と食リポした上で、「家のカレーよりこっちの方がおいしい」と満足そうに話した。

 同小5年・重山湊君(11)は「以前、学校に届いたお菓子やおにぎりもおいしかった。今日のカレーは〝すべてが〟おいしかった」と絶賛した。

 畑仕事の合間に食べに来たという荒田義雄さん(84)は「子どものためのこうした活動は素晴らしい。おいしかった。次も来店したい」と語った。

 午後2時の閉店後、メンバーは集落内の高齢者宅を一軒一軒訪ね、カレーを届けた。

 山田会長は、今年から子ども食堂を月2回の定例にする考えを示した。「カレーの日と、お菓子などの郷土料理をメインにした日をつくる」とし、メンバーが活動によって得た地域通貨「どぅくさポイント」や公衆トイレの清掃などで得た報酬を充てるという。食材なども集落で買い求める。

 同町の「子ども食堂支援事業」に採用され、補助対象に選ばれたことも活動の後押しになったと話した。

 山田会長は現在81歳。「早く若い人に変わってほしいんだけど」と言いながら、おいしそうに食べる子どもたちに目を細めていた。