鹿児島U ホームゲームで奄美をPR

試合前、鹿児島Uの選手と奄美のエスコートキッズで記念撮影=白波スタジアム(写真提供・鹿児島U)

VRで「奄美体験」をする子どもたち=白波スタジアム

奄美の力で勝利後押し
日本復帰70周年を記念

 【鹿児島】サッカーJ3の鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)とFC琉球のホームゲームが14日、鹿児島市の白波スタジアムであった。「奄美市スペシャルマッチ」として奄美市が冠スポンサーとなり、4664人の観衆が集まったスタジアムで、奄美群島日本復帰70周年など奄美をPRするさまざまなイベントが催された。

 奄美市による復帰70周年記念事業の一環で実現した。鹿児島Uと奄美は、シーズン前のキャンプや昨季の試合用ユニホームに大島紬の柄をモチーフにするなどの縁がある。JFL時代の2015年には奄美で公式戦を開催したこともあり「Jリーグ参入の条件である合計来場者3万人を突破したのが奄美だった」と德重剛代表。「同じ県内でも奄美を知らない、行ったことがない人も多い。奄美を知って、足を運んでもらうきっかけがつくれれば」と話す。

 試合前の場外では、喜界島出身の唄者・界眞子さんによるシマ唄ライブや、奄美市による特産品販売や観光PRのブース、VRで奄美を体感できるコーナーを設置。黒糖ドーナツなど約150品を用意したが「あっという間に売り切れた」と紬観光課の富啓嗣課長補佐兼紬特産係長。

 試合直前には安田壮平市長が「奄美から元気を届けにやってきました!」とあいさつ。日本復帰70周年に加えて、対戦相手の琉球が昨年の5月15日に復帰50周年だったことや、Jリーグ誕生30周年、鹿児島UのJ通算来場者50万人突破など、さまざまな「メモリアル」であることを強調した。始球式では右足でゴール左隅に鮮やかなPKを決めると、スタンドのサポーターから「奄美!」コールが起こった。「これからも奄美を外に向けて発信し、スポーツを通じて地域を持ち上げる活動に取り組んでいきたい」と話していた。

 選手入場の際のエスコートキッズは奄美の小学生11人が担当。古仁屋小4年の勝田蒼介君は端戸仁選手をエスコートした。鹿児島Uの試合観戦は初めてで「人が大勢いて楽しかった。将来は鹿児島Uに入れるような選手になりたい」と感想を語っていた。

 試合は終盤まで両者無得点の白熱した攻防を繰り広げたが、鹿児島Uが終盤に2得点を挙げて快勝。リーグ戦3試合連続無失点で3連勝し、メモリアルマッチに花を添えた。

(政純一郎)