徳之島町で特定外来生物「シロアゴガエル」侵入定着

徳之島町徳和瀬地区などへの侵入・定着が確認された特定外来生物「シロアゴガエル」=17日、同町諸田池(徳之島虹の会提供)

在来カエル類への影響懸念 徳之島虹の会が発見

 【徳之島】NPO法人徳之島虹の会の会員が今月8日、徳之島町徳和瀬で目撃・通報していたカエルについて環境省徳之島管理官事務所は19日までに、特定外来生物「シロアゴガエル」の生息を、同町徳和瀬をはじめ隣接の諸田、井之川地区でも確認したという。既に、沖縄諸島や宮古列島、石垣島などで定着が確認。奄美群島では与論島(2013年)に次ぐ初確認に。同省は情報提供を呼び掛けている。

 環境省によるとシロアゴガエルは東南アジア原産のアオガエル科の一種。体長5㌢~7㌢程度。体色は茶褐色および場所によっては黄みがかる。ほっそりとした体つきをして脚が長く全体的に細長く感じられる。鳴き声は在来のカエルと異なり、「ギィッ」「ゲェッ」と鳴くという。

 1964年に沖縄県嘉手納町で初めて侵入が確認されて以降、50年余の間に沖縄島や宮古島、石垣島など各地で定着。「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に基づき特定外来生物に指定されている。弊害として「アマミアオガエルをはじめとする在来のカエル類と、餌資源や繁殖場所を巡って競合する可能性」が懸念されるという。

 徳之島(徳和瀬)での初確認は8日午後11時45分ごろ。徳之島虹の会の会員が「シロアゴガエルの可能性がある」と環境省徳之島管理官事務所に通報(16日)。同町「諸田池」や同水系、「名田川」周辺の水場計の8地点で計20匹の個体、卵塊約20個、30個体以上の鳴き声を確認。「定着したのは1年以上前。去年の繁殖期には徳之島で繁殖したとみられる。既に相当数の個体が生息していると考えられる」と分析している。

 定着が確認された同町徳和瀬、諸田、井之川地区以外の場所でシロアゴガエルの鳴き声が聞こえたら、同省徳之島管理官事務所(天城町役場内、電話0997―85―2919)への連絡を呼び掛けている。