知事会見

「一定期間ごとに」との認識
週1回公表のコロナ定点報告
安保土地規制「不安ないよう説明を」

 塩田康一知事の定例記者会見が19日、県庁であった。新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い県内の感染状況は、週1回の定点報告の公表(最初の週=5月8~14日)が同日にあったが、知事は「最初の数であり、次の週と比較していくことで傾向が一定期間ごとに認識できる」との受け止めを示すとともに、注意報や警報の発令は国が検討しているとして県独自対応には踏み込まなかった。

 定点報告は、県内91医療機関で定点観測を行い、一定の期間ごとに感染者数を公表する。基礎疾患、高齢者など感染リスクが高い人かからは「全数報告に比べて分かりにくい」という不安が出ている。

 知事は「今回(19日公表分)は最初の数だが、その次の週の公表により比較することで拡大か減少か傾向が把握できる。一定の期間ごとに認識することになる」と述べた上で、数字が上昇した場合など「インフルエンザのように何らかの注意報があった方が分かりやすい。(注意報・警報発令の)方向で国が検討している。全国水準となるが、その状況を見ていきたい」と説明し、県民への周知は国の発表など必要な情報を県ホームページに掲載するとした。

 政府が明らかにした安全保障上重要な施設周辺を対象とする土地利用規制法の「特別注視区域」「注視区域」指定に関する質問があった。新たに全国で計161か所の候補地が追加され、このうち鹿児島県は全国で最多の67か所(うち奄美群島は36か所)となっている。土地利用規制に対し「私権の制限につながる」「住民生活への影響が懸念される」という指摘がある。

 知事は「鹿児島県は離島が多い、あるいは国境に近い場所ということで指定件数も多くなった。私権制限など懸念については運用面において住民の不安がないよう、国はしっかり説明しながら透明性を持って対応していただきたい」と注文。指定にあたり自治体への意見聴取は「県に対してもあり、(国の指定に)鹿児島県としてここはやめてほしい、ここをすべきだとか、おそらくないのではないか」と述べた。

 このほか、県が今年度新設するとしていた医療的ケア児(日常的にたんの吸引や人工呼吸器が必要な20歳未満者)支援センターが9月、県のこども総合療育センターの建物内=鹿児島市桜ケ丘6丁目=に設置されることが発表された。県看護協会が運営を担う。